年間アーカイブ: 2022

シュカブラの木

これ、シュカブラの木。勝手に名前を付けた。 美瑛の丘には、セブンスターの木やクリスマスツリーの木、ケンとメリーの木など、丘の上に立つ木のなかには名前が付いたものがある。絵になる木が沢山あるが、名前のついていないものも多い。シュカブラの庭に立つこの木にも名前が付いていないので、折角だから名前を付けた。勝手に。 この写真は少し離れた公道から撮ったものだが、なかなか絵になると思う。実際、この場所から十勝岳連峰をバックにこの木の写真を撮るカメラマンが多い。 この日は、快晴。朝は放射冷却で冷え込んだものの、3月中旬ともなると、晴れればプラス3℃ぐらいまでは気温が上昇する。 前日からお泊りになられた方は、とてもラッキーだった。前日もなかなか良い天気で、部屋からは夕陽に染まる山々を、夜は星を、そして、朝霧を。チェックアウト後、丘をドライブし、旭川空港発の夕方の便でお帰りになられるとのことであった。 夕方も晴天が続き、カメラ片手に庭を散歩していると、旭川空港方面から飛行機が離陸する音が聞こえ、シュカブラ上空を旋回、本州に向かって飛んで行った。「〇〇さん、また来てね」とつぶやき、見送った。 シュカブラの6,400㎡の敷地内には、宿泊棟であるヴィラと私の自宅兼レセプションがある。2つは30m程離れているが、滞在中はお隣さんのようなもの。お客様が美瑛を満喫できるよう少しだけのサポートをしているだけで、お話しできる時間も少ないが、見送る時は「あー、行っちゃった」と寂しさを感じるものである。

2022-03-16T19:42:09+09:002022.03.16|

田舎暮らし(スローライフとは)

夜、窓に吹き付け張り付く雪。部屋の灯りを消して、500Wの照明を倉庫から持ち出し屋外コンセントに差し込む。降りしきる雪が照らされ、さらに激しく降っているように見えてくる。 2月下旬は温かく、このままは雪解けし春を迎えるのかと思いきや、そうは行かないのが北海道・美瑛である。道産子は言う「帳尻を合わせるように降る」のだと。1シーズンの降雪量は毎年ほぼ同じで、シーズン前半が少なくても、後半に降るから油断するなということらしい。 一晩で結構積もった。3月に入ってからの雪は気温が高めであるため、水分が多く重い雪。 朝の除雪が大変だ。1月2月の厳冬期の雪は軽く、玄関先などは箒で掃いて足りることもしばしば。気温が高めの中、重い雪を運んでいると汗をかく。ダウンを脱ぎ、フリースを脱ぎ、長袖シャツを脱ぎ、Tシャツになる。体から湯気が立ち上る。手作業での次はトラクターで雪を飛ばす。 1時間ほど経つと喉も乾く。ほぼスポーツと同じだ。外にいるからといって温かい飲み物が欲しくなるわけがなく、ビールがいい。雪上に座り、青い空を見上げながらのリラックスタイム・・・というわけにはいかなかった。車載用の台を作り、建物の補修、買い出し、通院、子供の迎え、やることが山ほどある。今はコーラだ。 よく「田舎暮らしはスローライフ」などといわれるが、決して、のんびり時間を持て余すことがあるわけではなく、むしろ都市部での生活より忙しい気がする。ただ、会社のような組織のペースに巻き込まれるような忙しさではなく、自らが選択し楽しみながらできるから苦にならないものである。 訪れる人にも少しの時間ではあるが、薪割や除雪などここでの暮らしを体験してもらいたい。きっと良い思い出になるだろう。 ビールは夜にとっておき、シャワーを浴びて1日の後半戦に備えることとしよう。 そして、1日の最後に夜空を見上げながらビールを飲もう。 晴れた日のシュカブラは、満天の星空が広がるから。

2022-03-02T17:36:56+09:002022.03.02|

地吹雪(シュカブラの予感)

来た!下から雪がふっている。「下から降る?」と思うでしょうが、下だけではなく横からも。地吹雪だ。北海道・美瑛では昨夜から強風が吹き荒れている。 それによって積もっている雪がまきあげられ、場合によっては渦を巻き、まるで、四方八方から雪攻めに合っているような感覚。気温は氷点下3℃で暖かだが、風のせいで頬が痛い。シュカブラは丘の上に建っているため、なお風が強い。降雪量は少ないものの、風によってできた吹き溜まりが通路を塞ぎ、容易に車を走らせることができない。 久々のトラクターの出番がやってきた。スノーブロアという雪を掻いて飛ばす機械を車体の後ろに付け、ゆっくりと通路を掻いていく。飛ばした雪と降って来る雪が後方の視界を遮る。 1時間ほどで通路や駐車場の除雪を完了、と思いきや最初に終わったところに既に新たな吹き溜まりができている。雪面を滑るように飛んでくる雪の粉。そのサラサラした粉は、時には少しずつ、時には激しく積もっていく。風に削り取られる側の雪面には、波状の模様ができてくる。雪面の模様は人間には到底できない自然が作り出す造形。これがシュカブラ(風雪紋)だ。 シュカブラの庭の大きな白樺の根元を地吹雪が通り抜け、強風に耐えるようにしなっている。 部屋に戻り、薪ストーブに火を入れ、コーヒーを飲みながら、正面の丘に徐々にできていくシュカブラを眺める。何も考えず、ぼーっとする時間。風が止むまでこうして待とう。 止んだら、また、ぼちぼち除雪をしよう。 そして、明日の朝起きたらきっとできている、美しい雪の曲線、大きなシュカブラが。

2022-02-21T18:00:22+09:002022.02.21|

ミラーレス一眼購入

昨年に続き今年の美瑛も雪が少ないです。シュカブラの庭の積雪も50cmぐらいでしょうか。例年ですと、2月には天気も安定し、晴れる日が多いですし長期予報でもあまり雪が降らなさそうです。昨日も今日も快晴、シュカブラからは、大雪山・十勝岳連峰が一望です。 先日、10年ぶりにカメラを買いました。これまでメインとして使っていたカメラは、デジタル一眼レフですが、中古を買ったため、製品としては13年ぐらい前のものでした。当然、動画撮影などできず、基本的に静止画は一眼レフ、動画はiPhoneで撮影していました。 今回購入したものは、ミラーレス一眼です。一眼レフは、ボディー内のミラーにレンズからの光を反射させファインダーに送っているもので、肉眼で見たままのものを覗くことができますが、ミラーレスはイメージセンサーが捉えた光をデジタルに変換し、液晶ビューファインダーに映し出しているので、少しザラザラした感じがあります。 今回購入するにあたり、これまで通りデジタル一眼にすることも考えましたが、メーカー側もメインをミラーレスに移行していくような感じですので、こちらにしました。 さて、カメラが届きました。今回も中古ですが現行品です。次にメモリーカードを用意しなければなりません。これまでは、静止画のみであったため、カードの容量も16GBでしたが、動画は撮っても少しだから32GBもあれば十分だろうとカメラの取説を見ると、128GBからものしか対応を確認していないようです。 まあ、容量が大きい分には問題ないと、ネットで検索。「わぁーっ、高!」安い中古レンズが1本買えるぐらいの値段にびっくり。まあ、10年前とは違いますね。「10年ひと昔」といいますから。 性能が格段にアップしたカメラを手にしましたが、はたして出来上がる写真も格段にいいものになるのか・・・。それはないでしょう。 まだ、メモリーカードが届いていないためワンショットも撮れていませんが、来週あたりから使い始めようと思い楽しみにしています。 それにしても、一眼を持った女性(カメラ女子)が増えましたね。丘を撮影ドライブしていても、よく見かけます。しかも遠いところから車を運転して、一人で来られています。時々、カメラの背面液晶に映った写真を遠くから除くのですが、皆さんとてもお上手です。早く、私も新しいカメラで素敵な写真を撮りたいです。

2022-02-11T11:15:17+09:002022.02.11|

星のソムリエ(星空を眺める)

2022年も12分の1が過ぎてしましました。年明けから全国的にオミクロン株が急激に拡大していますね。 ところでオミクロンって何語だか知っていますか。α・βなどのギリシャ語の15番目の文字です。ちなみに4番目が少し前に流行ったデルタ(δ)です。 さて、今日は星の話です。 美瑛は「丘のまち」として有名ですが、田舎で街灯りも少なく星も良く見えます。今の時期ですと、天気の良い日には冬の代表的な星座である「オリオン座」や全天で一番明るい恒星の「シリウス」などなど、1等星が多いこの時期は夜空が賑やかです。このような明るい星はもちろんのこと、都会では見ることが出来ない天の川もシュカブラから見えます。 ただ、晴れた夜の外気温は氷点下10℃を下回ることが多く、長時間観察するには、まん丸になるまで着込む必要があります。まん丸のまま、雪に寝転がり見上げる星空は最高です。 寒さが苦手という方にも、綺麗な星たちを見る方法はあります。シュカブラのお部屋は常に20℃以上。部屋の灯りを全て消すと、縦150㎝×横200㎝の大きな窓ガラス2枚に星空が浮かび上がります。薪ストーブとテーブルキャンドルだけを焚き、時間を忘れて過ごす、最高の癒しになることでしょう。 明日で、私も52歳になりますが、小学生の頃は星をよく見たものです。小学5年生の頃、授業で習った天体のことにのめり込み、沢山の星座を覚え、また、天体図鑑を買って読みあさりました。おそらく、小学生にして中学生や高校生ぐらいの知識を持っていたと思います。しかし、中学生になりテニスを始めてから、こちらにのめり込み、ほとんど夜空を眺めることがなくなりました。 30歳で北海道に移住してきて、美瑛には4年半前から住んでいますが、この地の夜空を見たときから、星に対する思いが少しずつ蘇ってきました。 星空案内人資格認定制度運営機構が認定する通称「星のソムリエ」というものがあります。美瑛では、その認定を受けられる講座が開催されており、受講してレポートを提出すると「準案内人」になれます。さらに実技試験等に合格すると、「案内人」いわゆるソムリエになれるのです。ソムリエは、美瑛を訪れた観光客などに星空を案内することが出来ます。私も、先月からこの講座を受講しており、とりあえず準案内人、上手くいけばソムリエになり、お泊りと一緒にシュカブラから星を眺めたいと思っています。 ちなみに、星座の中にある星たちには、基本的には明るさの順にα・β・γ・・・・とギリシャ文字がふられています。

2022-02-01T11:10:23+09:002022.02.01|

同じ趣味のご近所さん(大雪山を撮る)

今朝の美瑛は冷えました。氷点下22度、晴れ、少し薄雲。昨夜の天気予報や役場からの水道凍結注意のお知らせもあったため、ダイヤモンドダストや樹々の霧氷を期待していました。ですが、ダイヤモンドダストは現れず、霧氷も期待ほどではありませでした。薄雲だとダイヤモンドダストが発生しづらい(見づらい)という。 昨日の日中は暖かく、日向は雪が溶け、少しべちゃべちゃしたような感じになっていましたが、夜の冷え込みで一気に凍れ上がりました。 歩くとキュッキュッと雪が鳴きます。一度溶けた雪は、再び凍り細かな枝のような結晶になっています。手で払うと白い粉のように舞い上がります。 日の出前の十勝岳連峰の上には、明けの明星が。 オプラテシケの山際から登った朝日が、大雪山旭岳を斜めから照らし、丘の一日が始まります。 今日は一日晴れの予報、カメラ片手にブラブラしたくなる日です。 カメラと言えば使っているものは、15年ぐらい前のデジタル一眼レフ。一応、上級者モデルですが、お店の人の話では、現行の初心者モデルの方が性能も格段に上とのこと。イメージセンサーに埃や傷もついていて、オートフォーカスも利かないので、そろそろ買い換えたいところです。 ということで、ネットで調べてみると「高っ!!」。これは手が出ない。中古で探そう。 さて、夕方も晴れ。大雪山が夕陽に照らされ光っています。新栄の丘まで少しドライブ、邪魔するものがなく大雪山が陸の浮島のように浮かび上がっています。黄色からピンクにそして白い山に。空は水色から紫、そして濃い青に移ろいます。まさにマジックアワー。気温もぐんぐん下がり、深呼吸をすると肺が凍りそうでむせます。 ふと、横を見ると見慣れた車が。ご近所(500m離れていますが)のご夫妻です。奥様が写真を趣味にされているので、度々、撮影スポットで会います。あまりにもよく会うので顔を見合わせ、思わずお互い大声で笑ってしまいました。

2022-01-20T19:41:15+09:002022.01.20|

氷点下23℃の夜の撮影(強運のお客様)

シュカブラには、時々、写真撮影を趣味にされた方もいらっしゃいます。 この3連休に関西方面から来られた方も、ご趣味がカメラとのことで、クリスマスツリーの木を撮ることがメインとのことでした。 撮るタイミングは、降る雪をストロボで照らし、その中にクリスマスツリーの木が佇んでいる様子と、オリオン座がクリスマスツリーの木の上に来たときに撮るということとのことでした。 どちらも、気象や時間の条件が整わなければ撮れない一枚です。 シュカブラにご到着されたときは曇り、そしてご滞在中も曇りがちの予報でした。『どちらか1枚撮ってもらえたらいいな』ぐらいに思っていました。 2日目の朝、曇りから雪に変わり、宿の駐車場から車がなくなっていました。撮りに行かれたのだろう。お昼前にタオル交換に伺ったときにお話を聞いてみると、降る雪とクリスマスツリーが撮れたとのことで、満足されたご様子。夜には、オリオン座とこの木を撮りたいとのことでした。夜から晴れ間が覗くとの予報でしたが、その時の空は、全くそんな気配を感じさせない厚い雲に覆われており、これで、晴れて希望されている写真が撮れたら、強運の持ち主だろうと思っていました。僕も、晴れたらどこかに撮りに行こうかななどと考え、自宅の窓から外を眺めていました。 夕方から北風が強くなり、雲の動きが激しくなりました。南東の空は曇っていますが、もしかしたら、風上の北の空は晴れているのではないかと、外に出てみると、空には雲がなく、綺麗にグラデーションがかかっています。慌ててカメラを持ち出し、セブンスターの木の近くのイブの木(写真)まで車を走らせました。晴れだしているため、放射冷却で気温は氷点下12℃まで下がっています。 オリオン座がクリスマスツリーの木の上に来るのが真夜中の0時から1時頃です。何とか晴れた空が広がって、その時間まで持ちこたえてくれないか願っていました。 自宅に帰り夕食を終え、子供と少し遊び、夜の10時頃、気温を見ると氷点下17℃。まだ、晴れて星が瞬いています。お客様はまだ、お出かけになっていないご様子でした。晴れてはいるが、こんな寒い中、出かけて大丈夫だろうかと少し心配しながら、11時に眠りにつきました。 朝、目覚めると外は厚い雲に覆われていました。「撮れたんだろうか」 チェックアウトの際、「どうでした」とお聞きすると「オリオン座とクリスマスツリーの木が撮れました」とのこと。2泊3日の滞在期間で、撮りたいと言われていた2つの写真を両方とも叶えられるとは、まさに強運です。 オリオン座を撮った時の気温が「氷点下23℃でした」とニコニコしながらお話されたのがとても印象的でした。

2022-01-11T00:16:52+09:002022.01.10|

初日の出

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 十勝岳連峰にのしかかるような雲がかかっているものの、初日の出を拝むことができた新年の幕開けです。 大晦日は例年通り「ゆく年くる年」を見ました。0時を迎えテレビから新年を祝う花火が打ちあがるのが中継されていましたが、テレビからの花火の音とずれて、微かに外から同じような音が聞こえます。窓の外を見ると美瑛の街にも花火が上がっています。それほど大きく見れませんが、照明を消し、薪ストーブを焚き、暖かな室内から遠くに見える花火を「お泊りのお客さんも見ているのかな」などと考えながら、新年を迎えました。 昨年は、首都圏、関西圏、中部圏の方を中心に100組以上の方々とお会いすることができ、充実した1年になりました。こちらも、感染防止対策をしていますが、お越しになられる方からは、前もって「ワクチン接種済みです。」「PCR検査を受けています。」「東京から伺っても大丈夫ですか」などのお気遣いをいただく方も沢山いらっしゃいました。 早くマスクを取って、不安なく旅を楽しめる時が来るのを願うばかりです。 今シーズンは全国的に寒波が襲いかかり、日本海側では大変な雪になっているようですが、美瑛は今のところ、昨シーズンより少なめです。 全国ニュースで北海道の大雪が報道されると、北海道外の方からは、「大丈夫ですか」「到着できるでしょうか」等とのお問い合わせがしばしばあります。 確かに美瑛も大雪に見舞われることがありますが、道内の中ではそれほど雪の多くない地域です。例えば日本海側のニセコなどは3mの積雪になる年もありますが、美瑛は多い年でも1m程度です。さらに帯広や釧路などの太平洋側になるとあまり積もりません。小中学校の授業でも、日本海側はスキー、太平洋側はスケートです。 ただし、雪が降らなく晴れた日の朝は冷えます。 今朝も晴れたので、窓に付けた温度計を見ると氷点下15℃を指していました。 外に出ると普通にダイヤモンドダストが見れます。丁度、お泊りのお客様もお子様と散歩をされていましたので、「今、マイナス15℃ですよ。」伝えると、「えー」と言われながら、そんな極寒だけど嫌な寒さではないと感じられていないようでした。昨夜は、薪ストーブの炎を眺めながら、ゆっくりと過ごされたようです。

2022-01-01T18:47:19+09:002022.01.01|
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