マイペース
先週、何年振りかに二日酔いになった。 もともと酒に強い方ではなく、呑んでも一晩で缶ビール1本程度だ。 美瑛町内で懇意にしている雑貨屋兼カフェのご店主で、時々夜の撮影に一緒に行く星友達と2年ほど前から、焼肉を一緒に食べようと約束し、やっとそれが実現した。 彼女の娘さんも、うちの長男と同い年で中学時代はクラスメートだったこともあり、今月それぞれの子供が巣立っていた話や、仕事の話、今後の美瑛のことなどを話した。 18時に入店し、自分では1時間半程度経ったと感じたころ、「もう閉店です」とお店の人に言われ、「焼肉屋なのに早い閉店だな」と思ったが、もう21時半だった。 あまりにも楽しく、あっという間の3時間半で、ついついお酒のペースが早くなり呑み過ぎたというわけである。 とても美味しく感じたお酒だったが、それ以来、身体がお酒を欲しない。 アルコールを飲まない妻に言わせると、「呑まなくても死なない」という。 美瑛の丘では、畑お越しなどの農作業が本格的になってきた。 あちこちで広大な農地をゆっくりと走るトラクターが見られる。 5月中旬を過ぎると露地もののアスパラが地面からニョキニョキと顔を出すが、ちょうど今頃、長けモサモサに枯れた去年の分を刈り取り燃やす作業も行われ、大地から狼煙のような煙が上がる。 その上をシベリアに帰る途中、美瑛に立ち寄った白鳥などの渡り鳥たちが行き交う。 観光客も少なく静かな季節。 まさに見た感じは長閑でのんびりといった風景ではある。 しかし住んでいる者にとっては、トラクターや草刈り機の整備、建物の補修や塗装のメンテナンス、ネズミなどの害獣対策などなど、やることは山ほどある。 都会から来る人には、「スローライフを手に入れ羨ましい」と言われることが多いが、都会とは違った忙しさがある。 都会にいても、田舎にいても、その忙しさをいかに楽しめるかだと思う。 マイペースに暮らすとは、決してのんびり暮らすということではない。 あくまでも自分のペースということであり、そのペースがのんびりの人もいれば、自分のようにいつもせかせか何かをしていることでマイペースを楽しむ人もいる。