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おばあちゃん、おかえり

『おばあちゃん、おかえり』 僕は、心の中でそう呟いた。 先日、2022年12月17日のブログに登場する関西弁で話すご高齢のお母様と娘さんのお二人がシュカブラを再訪してくれた。 本当なら前回の来訪から1年後の昨年12月に来られる予定で予約もいただいていたのであるが、お母様が体調を崩されたとのことで、来ることができなかった。 娘さんのお仕事の都合上、12月にお休みが取りやすいとのことであったため、今度お会いできるのは、前回から2年後の今年の12月になるのかな。お母様は大丈夫なのだろうかと心配していた。 今回の宿泊のご予約時のメッセージには、お母様の体調が回復されてこと、美瑛に行きたくて冬まで待てないことが書かれていた。 メッセージを見て安心し、6月になるのを楽しみに待っていた。 お母様は前回より少し足が悪くなられたようであったが、お元気そうである。 入室するとヴィラの土間に置かれた椅子に腰かけ、窓から外を眺め、「わー! 緑が凄いなぁ。あれなんやろ?」と目の前に一面に広がった広大な畑を見て問われる。「蕎麦ですよ。最近、芽を出し始め黄緑色が綺麗ですね」と答えると、「初めて見たわ」と変わらぬ関西弁でお話された。 大阪で生まれ、三重で育った僕にとっては、おばあちゃんの発する関西弁の一言ひと言が前回と変わらずとても心地よい。 6月も終盤になり、予想通り美瑛・富良野の観光客が増え、「ファーム富田」や「青い池」などの有名観光スポットは混雑し、時間帯によっては駐車場に入るための渋滞も起こっているとのこと。 一部の心無い観光客は農地に侵入し、農家さんが大切に育てている作物を踏み荒らしていることがあるようだ。 また、よく見かけるのは、危険な箇所への駐停車だ。美瑛はうねうねと丘が続くため、そこを通る道路には坂やカーブが多い。坂の頂上や見通しの悪いカーブに駐停車されてしまうと、対向車が見えず正面衝突の可能性もあり、大変危険だ。実際に、夏は救急車のサイレンを聞く回数が増える。 また、最近、電動キックボードのレンタルも始まったようである。やはり、自転車に比べ道の真ん中をフラフラ運転する人を見かける。 地元民の生活のため、また、観光客も事故なく楽しく旅ができるよう、お互い心がけたい。

2024-06-29T23:06:28+09:002024.06.29|

旅の感動をお手伝い

秋まき小麦には穂が付き、すくすくと成長している。ジャガイモやトウモロコシ、ビート、蕎麦なども徐々に成長し、今の美瑛の丘は、1年のうちで一番緑の多い時期かもしれない。 先日、改めて気付かされたことがある。 観光に来られた方が、所謂有名(撮影)スポットを巡っても、地元民が同じ場所に向かうのとは見え方が違うということ。 チェックインの際、お勧めスポットをお知らせし、翌朝、車で巡られたようであるが、その感想を聞いてみると想像していたものより感動が少ないように感じた。少し道にも迷われたようであった。 美瑛は広大な農地の間を道路が走っており、目印になる物があまりないため、道にも迷いやすく、特に内緒のスポットなどは看板もなく目的地にたどり着いたのかどうかも分からないこともある。 再度、人が少ない穴場スポットに挑戦してみたいとのことであったが、もしよろしければと、夕方、こちらの車で、丘を案内することになった。 改めて、朝は何処に立ち寄られたかを確認したが、穴場スポットの他、取りこぼしなく良さそうなポイントを巡られている。 ただ、スポットに向かうまでの経由した道が違うようだ。 お客さんと一緒に、宿をスタート、「ここを通りましたか?」「ここで曲がりましたか?」と聞くと、コースが違うことが分かった。 ナビを使うと一般的に最短コース(稀に変な道)を案内し、スポットに行くにはその道が一番早いが、自分が目的地に向かう際には、最短コースに拘らず、途中、綺麗な景色が見えるところを周るようにしている。ここのところは、なかなか地元民じゃないと分からないところである。 夕食のレストランにお送りする1時間程度と短い時間ではあったが、お客さんの反応は上々、「ここから見るのか。角度によって見え方が全然違ってすばらしい」「満喫した」「きれい」などなど。 ご夫婦やカップルなど、お二人の大切な時間を邪魔しようとは思わないが、丘の案内など、地元民として旅の感動をお手伝いができることに喜びを感じるのである。 宿の周りの畑は、そばの小さな芽が出始め、成長の勢いは早く、毎朝、目覚める度に緑が多くなっている。 7月には白い小さな花で覆いつくされるだろう。

2024-06-14T09:31:24+09:002024.06.14|
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