月別アーカイブ:5月 2024

夕焼けの季節到来

5月・6月は企業や団体の総会が多く開催される時期である。 僕も宿泊事業者の一人として、観光協会など美瑛町内のいくつかの団体に所属している。 総会に参加すると運営側(事務局)から昨年度事業の報告と本年度の事業計画が説明されるが、殆どの参加者は質問や意見を発言しない。皆が、全く同じ考えを持っていることはない。説明を聞いて、何にも思わない人はいないだろう。 もちろん、時間的に参加者全員が発言できるわけではないが、参加するからには、賛同でも批判、別の提案でも良い、何か一言発言してほしいと思うのである。 まあ、僕は余計な一言を言ってしまうことも時々あるが。 さて、硬い話はこれぐらいにして、夕方、西の空が焼けることが多くなる季節がやってきた。 多くの人は、夕陽と夕焼けを混同している。これまでに、何回も書いているが、「夕焼けは日没後にやって来る」。 夕日も良いが、是非、夕焼けを見てほしい。 快晴の日には西の空がグラデーションになることがあるが、焼けやすいのは薄曇りや多めに雲が浮いている日だ。 夕焼けスポットでは、カップルなどが夕陽を眺めている姿をよく目にする。日の入りの少し前から、赤みを帯びた太陽が地平線に徐々に近づき、ゆっくり沈んでいくのをジッと見つめている。そして、太陽が沈み切った瞬間、多くの人が『あー綺麗だった』『沈んじゃった』というような顔をして、これから起こるかもしれない夕焼けを見ないで車に乗り込み帰ってしまうのである。 夕焼けは、地平線の下から太陽が空や雲を照らすことで起こることが多い。 そう、「夕焼けは日没後にやって来る」のである。 焼けるか焼けないかは様々な気象条件に影響されるが、日没後、最低でも30分は粘りたい。 因みに朝焼けも同じ状況で起こるので、焼けるのは日の出前だ。日の出1時間前辺りから色付き始めることが多い。 今の季節、綺麗な夕景の時間帯と夕食の時間が重なる。 夕ご飯を外食にしてしまうと、どうしてもシュカブラからの夕景が見られなくなってしまうから、オードブルやピザなどをテイクアウトして、宿の窓から、宿の庭から夕景を見てゆっくり過ごすのがお勧めだ。 美瑛は天気予報が当たりづらく、晴・曇・雨も外れることが多い。夕焼けになるか否かはそれ以上に予想しづらい。 今日も一日、空の変化を見ながら、ドキドキして過ごすこととしよう。

2024-05-31T08:41:35+09:002024.05.31|

種まき開始

シュカブラは、広大な農地に囲まれている。毎年、その畑では作物として蕎麦が作られている。 今年も本格的に畑起こしと播種が始まった。 部屋からは、目の前を人の身長をはるかに超える巨大なタイヤのトラクターが行きかうのを見ることができる。 トラクターを運転操作している農家さんは真剣な表情で前方と後方を何度も確認しながら、うねうねの丘を綺麗に起こしていく。 十勝のような平坦な土地ではなく丘が連なる美瑛は、トラクターの操作がとても難しい。横に傾きながら真っすぐに畑を起こすのは、豊富な経験と技術が必要だ。 シュカブラの庭にも800坪ぐらいの範囲にアンジェリアなどの花の種を撒く。庭を放置しておくと、たちまち雑草だらけになるからだ。 土起こし、種まきのタイミングは、気温や雨の予報を見ながら思案するのだが、天気予報を見て自分なりに判断するよりも、周りの農家さんの作業の様子を見ながら、それに足並みを合わせて作業を進める方が確実だ。 美瑛は天気予報が当たりづらいからか、農家さんの経験則の方が上回る。 自分で判断して種まきした年は、撒く時期が早すぎて、寒さで成長しなかったりしたが、農家さんの真似をして時期を定めると、綺麗な花をつけてくれる。 庭の畑起こしはトラクターで行うが、種まきは手作業。近所の農家さんが昔使っていたという種まきの道具を借り、ゆっくりゆっくり種を撒く。 丁寧にまんべんなく撒いたつもりでも、実際花が咲いてみると、密集したところや薄いところができていて、近所の農家さんには「ふふふ」と笑われる。 やはりプロにはかなわない。 6月中旬にはシュカブラの庭はアンジェリアの薄紫の花が咲き乱れ、7月にはシュカブラの周りの何ヘクタールもの広大な農地は、白い小さな蕎麦の花で埋め尽くされるだろう。 シュカブラの庭に立つ白樺の木陰から、十勝岳連峰をバックに一面の白い蕎麦畑を見られる日が来るのが待ち遠しい。

2024-05-31T08:42:15+09:002024.05.16|

春の美瑛

5月になった。GWの真っただ中、美瑛の桜は今が満開だ。 とはいっても、最低気温は0℃近くになることもある。 広大な農地の秋まき小麦は、雪解けとともにぐんぐん成長し、濃い緑の絨毯のようだ。徐々に樹々は芽吹き始め、新緑を覗かせている。 この時期に困ったことがある。白樺の花粉によるアレルギーだ。 薪割や草刈などの作業をしていると、目は痒いし、鼻が詰まる。 本州にいた頃は、スギやヒノキの花粉には全く反応しなかったが、北海道に移住して5年ぐらいたったころから、この時期になるとこのような症状が出る。 白樺というと、本州の人には人気の木で、僕も白い幹を見るのは好きだ。 ただ実は、道産子にはあまりにも普通に生えている木で、特に好きだという人はあまりいない。それどころか農家さんの多くは、畑の脇などに生え、成長も早く、トラクターでの作業の邪魔になるため迷惑な木だという。 でも、この時期の白樺は、小さな芽を出し、それが日に日に開き始め、黄緑色の綺麗な葉を沢山付ける。この薄い黄緑色と真っ白な幹は、ずーっと見ていても飽きない。 故・前田真三氏の写真ギャラリー「拓真館」の敷地にある白樺の回廊を歩くのは良い。美しい写真を見て、鼻がムズムズしながらでも回廊を歩き、同じ敷地内にあるSSAWというカフェで一息つく。 6月中旬から8月の美瑛は、花畑を見ようと沢山の観光客が押し寄せ、有名スポットは人だらけ車だらけになる。花畑はあくまでも観光客向けに造られたもの、本来の美瑛の姿ではないと思う。農家さんが農作物を作る過程で出来るパッチワークのような農業景観が本来の美瑛である。5月は人が少なく、そんなの美瑛を静かに見ることの出来るお勧めの季節だ。 折角、都会から来るなら、人混みでごった返す時期ではなく、静かな時期に来てほしいと思うのである。

2024-05-01T20:49:50+09:002024.05.01|
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