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6月 2022

雨の美瑛

2022.06.24|

今年の北海道美瑛は、雨の日が多いようだ。昨年は6月初旬に雨が降ったきり、8月下旬までまともに降らなかったため、トウモロコシやジャガイモなどの農作物の生育が悪いばかりか、雑草まで枯れだす始末。その分、草刈りの回数が少なくて済んだ。今年は、雑草もみるみる伸び、毎週5時間の草刈りに追われている。草刈に飽きると薪割りだ。田舎暮らしは忙しい。1,800坪の敷地を管理するのは、大変だが色々な発見があり楽しくもある。 毎年のことであるが、この時期はスズメバチがウロウロしている。体長が6~7㎝程度ある女王蜂だ。シュカブラは林の中でないため、巣を作られることはほとんどないはずだが、どこに巣を作ろうかと通り道になっているようである。ただ、草が茂って来ると、小型のスズメバチが草むらに巣を作ることがある。小型と言っても刺されれば大変だ。巣を作られる前に、ペットボトルを使った蜂トラップを仕掛けたが、小さな虫が入っているだけで、まだ、本命は捕まえられていない。 最近、敷地内の手入れの合間を使って、シュカブラのシンボルツリーである大きな白樺の木の下にウッドデッキを作り始めた。余っていた束石と貰った縁石と廃材を使って、足りない木材は建設現場でもらうか、購入するかだ。 少し時間ができると何かを作りたくなる。それはDIYであったり料理であったりだ。小学生の頃から主要科目と言われる教科はそこそこの成績だったが、図画工作や技術家庭は得意だった。23歳で一般事務職の公務員として働きだし50歳まで勤めていたが、元々の興味や能力を考えると、やはり今の生活スタイルが自分には合っている気がする。 今日は朝から雨、シュカブラの前の丘はいつものように見渡せるが、十勝岳連峰も裾野しか見えない。最近、市場に行くと生のキクラゲが売っている。僕の好物だ。今晩は、これを使った料理を作ることにしよう。

絶景の時間(不安定な天気の日こそ)

2022.06.11|

北海道美瑛も夏らしくなってきた。とはいっても、日の出前は5℃を下回ることがあるが、盆地特有の気候である。 日の出の時刻は4時前だ。北国の夏の昼間はとても長い。今朝は薄目の青い空と十勝岳連峰がくっきりと見える。 7:30頃、朝食を終え、つなぎの作業服に着替え帽子をかぶり、今日は何をしようかと庭をウロウロしていると、朝の散歩から戻ったお客様と会う。気持ちの良い風が吹く清々しい天気の中、近くの北西の丘展望公園まで行かれたとのこと。「何、してるんですか?」と問われ、「草刈でもしようかと思って。毎週、やるんです。敷地内を全部やると5時間ぐらいかかります。」と答える。 基本的にお客様がいても普段通りの生活をする。ここでの生活を見て感じてもらうのも、シュカブラという宿、私のスタイルだ。レセプション兼自宅と宿泊棟は30m程離れているが、困った時に直ぐに対応できる距離。いわば、滞在中のお隣さんである。 1時間ほど草刈りをし、庭に常設のテーブルを作ろうと、倉庫に眠っている廃材を選ぶ。材料を丸鋸でカットしていると、雲が激しく流れ青空がなくなる。塗装を始めると材料に大きめの雨粒が落ちて来た。20分の間に何回も降ったりやんだりを繰り返す。空を見上げると『あの雲が降らしている。次はあの雲が降らす』というのが分かる。 作業を辞め、自宅に入るが、ふと時間を見ると長男が学校の部活から帰ってくる時間だ。美瑛駅まで車を走らせると、道路は濡れているところをそうでないところがある。ほんの2kmほどの間で降ったところと降っていないところがあるのだ。 この不安定な天気、夕方には雲の切れ間から光が差し込み、素晴らしい景色と出会えるのではないかと思う。 午後は、ソファーに座りリビングの大窓から降ったりやんだりしている丘を眺める。ただ、景色を眺めぼーっとする時間。 17時頃、ほんの少しだけ青空が見えだした。『来るぞ、絶景の時間。とりあえず、セブンスターの木のあたりまで車を走らせよう』と出発。途中には薄っすらとした虹も。 セブンスターの木の駐車場には数台のレンタカー。ラッキーな観光客。 [...]

5月 2022

美瑛の秘密(大自然とは少し違った美瑛の美しさ)

2022.05.31|

「美瑛に来て大自然を満喫したい」という方がよくいる。十勝岳や旭岳は確かに大自然が広がっているが、美瑛の丘は大自然ではないと思うのである。大自然というと人の手がほとんど入っていない所をいうのではないだろうか。北海道でいえば、例えば、知床や釧路湿原などで私も大好きだ。 でも、美瑛の丘は人の手が入っていない所ではなく、人が生きていくため、作物を育てている農地なのである。それが、大雪山や十勝岳連峰の山々をバックに調和している風景が都会の人には大自然として映るのだろう。 都会では、工業などの2次産業やサービス・小売業などの3次産業が盛んだが、ここ美瑛は、農業という1次産業を軸として成り立っている人が住む町である。だから、決して手つかずの大自然ではない。 コロナ騒ぎが落ち着く方向に向かい、これから観光客が増えてくるなか、農地への無断立入も増えてくると考えられる。農地への立ち入りは病害虫の発生などで、農家さんにとって甚大な被害を及ぼす場合がある。そもそも私有地であり、無断立入は不法侵入という犯罪行為である。 立ち入ってしまう人には、二通りある。ダメだと分かっていて故意に入る人、ただの草原だと思い私有地だと知らずに入ってしまう人。前者は言語道断、後者には説明で足りるだろう。後者の中には、美瑛の風景を大自然だと感じている人が多い。そうではなく、100年以上も昔、様々な事情で内地から渡ってきた人が、生きていくために苦労をして切り開いた土地であるということを伝えたい。 写真家・故前田真三氏の言葉がある。初めて美瑛を訪れた故人は「今の日本にこの丘ほどの風景が存在するであろうか。人それぞれの心にそれぞれの旅があるように、この丘はいつまでも私の心の一頁として残しておきたいと考えている。」と書いている。 農家は見せるために観光のためにこの景色を作っているのではない。自分たちが生活を営むため、美味しい作物をみんなに提供するために畑を起こすのである。その風景が、たまたま見る人にとって美しく感じられるもの。このことを理解し、感謝の気持ちをもって美瑛を旅してほしい。そして、ここにしかないこの特別な丘を見守ってほしい。

斜光の時(誰かに見せたい時間)

2022.05.11|

日中は暖かな日が増えてきた、と同時に日の当たる時間も長くなった。日没は19時前、19時半ごろまでは薄明るい。 18:30頃、斜光に照らされた丘が美しい時間帯である。そして、この時間帯は、観光客にとって夕食の時間帯でもある。ペンションや民宿で「ご飯ですよ」と声を掛けられる時間である。案の定、昼間はレンタカーをそれなりに見かけるが、この写真を撮った時は、他に車も人もいなかった。「みんな宿でご飯を食べているんだろう。この美しい時間帯の景色を見逃しているなんて、勿体ない。」と思いながら、誰もいない鳥の声だけ聞こえる静かな丘を独り占めだが、やはり誰かに見てもらいたい景色である。 斜光に照らされた丘の影が徐々に伸びていくのをじっと見る。振り返ると遠くの小高い山に夕陽が沈む。赤くまん丸な太陽が、徐々に欠け最後は点になる。「嗚呼、沈んだ。また明日。」次のやってくるのは夕焼けだ。山の向こうに沈んだ太陽が西の空を照らし、山に近いところからオレンジ、ピンク、ブルーとそんな単純なものではない自然にしか作れないグラデーションを見せる。標高の高い大雪山や十勝岳連峰には、まだ日の光が当たり、残雪がオレンジやピンクに染まる。マジックアワーである。上空高い所には半月が黄色く輝きだし、更に時が進むと東の空から星が一つ二つと瞬きだす。そして、ひんやりとした空気が流れる。 車にもたれ、一人静かに過ごす贅沢な時間。 近くの草むらからガサゴソと音がする。キツネかな。月を見ているのかな。

北の星空(高い北斗七星)

2022.05.01|

5月になった。 ここ数日、晴れの日が続いた。昨夜も晴れ、月がなく所々に薄雲がかかったが綺麗な星空が見えた。出身地の三重県四日市の緯度は北緯35度ぐらいで、美瑛は北緯44度だから、誤差はあるものの北極星は四日市では水平線から35度の角度、美瑛では44度だ。ちなみに北極点では90度(真上)に見える。 この理屈をすぐに理解できる人が、なかなか少ない。実は小学校や中学校で習った地学の教科書には書いてあるのだが。 北極星を見つけるための目印になる北斗七星も当然のことながら、四日市で見るより高い場所で北極星の周りをまわる。移住した当初、初めて星空を見上げ北極星を見つけたときは、その高さから『北の大地に来たんだなぁ』と感慨深かったことを思い出す。 昨夜の21時頃の北斗七星は、ほぼ天頂だ。シュカブラからも十分綺麗に見えるが、もっと暗いところ探し丘の林へ向かった。見上げると首が痛くなるから寝転び仰向けで見たいが、林の近くは熊が出ることが多いので、なるべく人の気配をさせるよう動き、小声で歌いながら撮影もした。知らない人からするとただ変な人だろう。 今朝は曇っている。少し雨も降った。シュカブラから十勝岳連峰に雪雲がかかっているのがよく見える。『あの辺では吹雪いているなぁ、あそこは止んだな。』などと妻と話しながら、景色を楽しむ。 ゴールデンウィークは、すぐれない空模様になりそうだが、レンタカーや道外ナンバーを沢山見かける。コロナ前の賑わいが戻りつつあるのを感じる。 GWが終わると、6月中旬まで観光客の少ない期間があるが、もったいないように思う。確かに6月中旬以降の花の時期もいいが、小麦や牧草などの緑の絨毯が見られ、なんといても露地物の朝採れアスパラが食べられる5月下旬を逃す手はないように感じるが。 この時期は、農家さんの自宅前で規格外のアスパラがただ同然で売られている。ほぼ毎日、風景の撮影がてら立ち寄り一束買って持ち帰り、すぐに茹でたり炒めたりして朝食に並べる。1年で2・3週間しか味わえないとき。 美瑛に来られた方には、是非体験してほしい。この田舎ならではのスタイルを。

4月 2022

美瑛の野菜(本当の野菜の味)

2022.04.20|

美瑛の丘は、緑の部分が多くなってきた。昨年秋に種が蒔かれた小麦などだ。秋に芽を出し3~5cm程度になる頃、雪が降り積もりそのまま越冬する。春、積もった雪が溶けると一気に緑が濃くなり、ぐんぐん成長する。 春になってから、苗を植える作物もある。ジャガイモ、てんさい糖、トウモロコシなどである。雪の下に眠っていた広大な農地は、土が締まって硬くなっている。これをトラクターで起こすのであるが、この作業が大変だ。先ずは荒めにお越し、トラクターの後ろにつける機械を替え、起こした土をフカフカになるよう細かく砕いていく。そして、苗や種芋を植えていく。とてつもなく大きなトラクターで作業をするが、北海道の農地は桁違いに広いため、農家さんは何日もかけて所有している農地を順番に耕していく。丘の模様は起こされた畑と小麦の緑の絨毯で、まさにパッチワークだ。 冬の間の美瑛は、野菜が殆どとれない。今でこそ、ハウスものが少し出回るが、昔はジャガイモなどの根菜類を雪の下で貯蔵したり、白菜や大根を漬物にして、冬場の野菜不足をしのいだ。今でもメジャーな保存方法だが、やはり春を迎えてからのとれたての野菜は瑞々しくおいしい。ゴールデンウィーク明けから露地ものアスパラがとれだし、トマトや葉物野菜も次々と出回る。農家さんの家の前では、規格外としてはじかれた野菜たちが「こんな安くていいの」とこちらが心配になるぐらいの値段で売っている。味は最高。丘をドライブしがてら、真っ赤なトマトを買い、眺めのいい場所に車を停め、パッチワークを眺めながらトマトを頬張る。本州に出荷するトマトは赤く熟す前に収穫する。到着したころに赤くなるように。だから、赤く熟れたトマトは出荷できず、地元の市場や農家さんの前で売られている。赤くなるまで枝にぶら下がっていたトマトは最高に美味しい。ここでしか食べられない美味しさだ。 いよいよ活気に満ち溢れた季節がやってくる。

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