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5月 2025

春本番

2025.05.07|

GWが終わり、美瑛にも本格的な春がやってきたという感じである。 エゾヤマザクラが満開になり、広大な農地は、秋に秋撒き小麦や牧草の緑が鮮やかだ。 農家さんは、畑起こしや定植、防除にと大忙しだ。 この季節や秋に来られるお客さんからは、よく服装についての問い合わせがある。 日によって大きく違うばかりではなく、美瑛は内陸のため、朝晩の寒暖の差が激しい。また、1日のうちでも天気が目まぐるしく変わるため、昼間は長袖シャツ1枚、夜はライトダウンやフリース、星を見るために長時間にわたり外にいる場合は、厚手のダウンが必要だ。 また、いつも言っているが、北海道はとてつもなく広く、函館などの道南、札幌周辺の道央、旭川や稚内の道北、そして、知床や釧路などの道東で気候が違う。 北海道を旅行する場合、距離感をひとくくりに考えてしまいあまりの広さに面食らう人が多いが、気候も同様だ。 自分が初めて北海道を旅行したのは、30年近く前の6月であった。小樽や札幌、旭川はそれなりに気温が高く半袖で過ごしたが、道東にある別海町のバンガローに泊まった時は、寒さで一晩中凍え、一睡もできなかった。日の出前、車に取り付けた温度計は氷点下を指していた。 今時期の美瑛の野菜はハウスもののアスパラと、昨年の秋に収穫され越冬熟成した甘みの強いジャガイモがお勧めだ。 今月下旬には、露地もののアスパラも最盛期に入り、葉物野菜も少しずつ採れだす。 [...]

4月 2025

マイペース

2025.04.14|

先週、何年振りかに二日酔いになった。 もともと酒に強い方ではなく、呑んでも一晩で缶ビール1本程度だ。 美瑛町内で懇意にしている雑貨屋兼カフェのご店主で、時々夜の撮影に一緒に行く星友達と2年ほど前から、焼肉を一緒に食べようと約束し、やっとそれが実現した。 彼女の娘さんも、うちの長男と同い年で中学時代はクラスメートだったこともあり、今月それぞれの子供が巣立っていた話や、仕事の話、今後の美瑛のことなどを話した。 18時に入店し、自分では1時間半程度経ったと感じたころ、「もう閉店です」とお店の人に言われ、「焼肉屋なのに早い閉店だな」と思ったが、もう21時半だった。 あまりにも楽しく、あっという間の3時間半で、ついついお酒のペースが早くなり呑み過ぎたというわけである。 とても美味しく感じたお酒だったが、それ以来、身体がお酒を欲しない。 アルコールを飲まない妻に言わせると、「呑まなくても死なない」という。 美瑛の丘では、畑お越しなどの農作業が本格的になってきた。 あちこちで広大な農地をゆっくりと走るトラクターが見られる。 [...]

3月 2025

君に幸せあれ

2025.03.27|

今年の美瑛は雪解けが早く、道路だけではなく丘の畑の雪もなくなりかけている。 シベリアから本州などの南にわたる途中の白鳥も飛来し始め、シュカブラ上空を飛び、鳴き声や、低空飛行するときには羽音までも聞こえる。 さて、前回の続きで、長男が一人暮らしのため、家を出ていく件である。 高校を卒業したら、家を出て行くように言っていた張本人の僕が、出て行く日が近づくにつれ、寂しさが増していくような状況だ。 同世代の友達に聞くと、子供が出て行くと心にぽっかり穴が開いたようになるという。 はたして4月になり、いなくなった状況に耐えられるのか不安がつのる。 思い返せば、もっと色んなことをしてやればよかった、もう少し優しくしてやればよかった、など後悔しか頭に浮かばない。 長男は都会ではない地方都市にある国立大学と都会の私立大学に合格したのだが、自分に足りないものは、沢山の人と接し経験を積むことだと、都会にある私立大学を選択した。 国立と私立の授業料の差は、本人が奨学金を借り、就職してから返済するという覚悟を決めての選択だ。 僕が18歳の頃、若くして数百万円の債務を負うことなど、このような重大な決断はできなかった。 [...]

別れの時(卒業シーズン)

2025.03.05|

3月になった。 毎シーズン、氷点下20℃を下回る日が少なくても3回はあるが、今シーズンの美瑛は、それがない。 おそらく、このまま春を迎えるのであろう。 3月といえば、卒業シーズンである。 うちには長男と次男の2人の男子がいる。 長男は高校3年生で、3月1日に卒業式があり、妻とともに参列してきた。 僕たちが子供だった頃、高校の卒業式に親が沢山出席していたような記憶はないが、両親ともに参列している家庭も多く、体育館には生徒より保護者の数の方が多い状態だった。 8年前、次男が保育園を卒園する際、僕は「父母の会の代表」をしていた関係で、卒園式での謝辞の大役を仰せつかった。 大変な役を引き受けてしまったと思いながらも、本番で支離滅裂なことを言わないよう、ちゃんと書面にして準備をしていた。 ありきたりな文章にせず、聞いている保護者や先生や来賓などが退屈しないよう、また、自分色を出そうと考え、何度か書き直し、本番に挑んだ。 [...]

2月 2025

ポツンと立つ木が語るもの

2025.02.20|

今シーズンの美瑛は、気温が高めだ。 毎シーズン、氷点下20℃を下回る朝が5回はあるが、1回もない。 もう、2月下旬になるが、このまま終わってしまいそうな天候だ。 さて、今日は予告通り、美瑛の丘にポツンと立つ木の話をする。 よく、〇〇の木と呼ばれる木がある。名前のないポツンと立つ木も沢山ある。 丘の上のポツンと立つ木、確かに見栄えが良く、写真映えする。 思慮深い人は、それを見て「どうして、あんなところにポツンと木があるのか」と聞く。 それには、北海道の開拓の歴史と深い関りがある。 北海道は、約150年頃前から本州などの内地から移り住む人が増えた。所謂、入植(未開の地の開拓)だ。 ここ美瑛も少し遅れて入植がはじまった。 [...]

質の高い観光

2025.02.05|

Instagramなどに投稿するため、所謂『映える写真を撮りたい』、言い換えれば、沢山の人に見てもらい『良い評価を得たい』という気持ちは、多くの人が持つ感情だと思う。 ただ、その気持ちだけが先行して、美しく見える理由や美味しく感じたり、楽しく感じるまでに至る理由を理解しようとしないのは、いかがなものなのかと思う。 聞いた話ではあるが、こんなことがあったらしい。 その一つは、こうである。 観光協会を通して美瑛の丘や森をめぐる観光ツアーガイドの申し込みがあった。2・3時間程度のツアーで、目的地までの移動中や見学ポイントでは、ガイドさんが観光マナー、美瑛の歴史や現状、それがなぜそこにあるかなどを、解説をしてくれる。 最近、そのツアーガイドを申し込む客層は若者の割合が増加しているようである。若い方に美瑛を知ってもらうことは喜ばしいことであるが、中には「解説はどうでもよいから、早く映えるところに連れて行ってくれ」というような客も増えているとのことだ。 もう一つは、人気のある飲食店で、到底食べきれないほどの料理を注文し、殆ど食べないで写真だけを撮るというような出来事が日常的にあるとのこと。 『金を払えば良いでしょ』という考え方なのかもしれないが、その料理を作った人に対しては、とても失礼なことだと思うし、舌で美瑛を感じようとしていない。実際、料理人も複雑な心境らしい。 美瑛では農地などの私有地への立ち入り問題が目立っているが、前述のようなことも、同様で、旅する際の地元への敬意の欠如が招いている出来事であると思う。 美瑛町の人口は9,600人、昨年の観光客数は240万人、明らかなオーバーツーリズムである。もちろん多くの方に美瑛を知って貰いたいが、それはあくまでも良識ある方に来てほしいのであって、美瑛を壊しに来る人には来てほしくない。そう思っているのは地元民に限らず、美瑛のことが本当に好きで、この地を訪れてくれる人も、そうだと信じている。 [...]

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