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7月 2026
晴でも、雨でも、曇でも
「北海道には梅雨がないはずだよね。なんで、来週からの北海道旅行の期間中の週間予報が雨や曇りばかりなんだろう。残念・・・」みたいなSNS上の投稿を見かけることが多い。 北海道にも梅雨はある。正確に言うと『蝦夷梅雨』と呼ばれるものが。本州以南の本格的な梅雨ほどではないが、雨の多い日が続くことがある。時期的には本州の梅雨が明ける頃から2週間程度である。 南の暖かい太平洋高気圧と北の冷たいオホーツク海高気圧に挟まれたところに前線が発生する。これが梅雨前線であるが、太平洋高気圧が勢力を増してくると梅雨前線を北に押し上げ、本州は梅雨が明ける。当然、押し上げられた前線は北海道にやって来る。これが蝦夷梅雨だ。 北海道の夏は、本州以南ほどではないが、春や秋に比べて湿度は高めで雲も多く、ときどき北から入る寒気で天気が急変し、突然の雷雨がある。 この雷雨の後も楽しみの一つだ。雷雨の後には虹がよく発生する。シュカブラのように小高い所にいると、雲の流れや天気の変化が手に取るように分かり楽しい。 自分はどのような天気でも、その時々の楽しみ方ができると思っているが、あえて言うと分厚い黒い雲が空に沢山浮かんでいるような天気が好きである。 北海道に来る人の多くが、「自然が好き」という。そして、「晴れた清々しい天気が見たい、雨は降らないで」という。 僕は思う「雨があるから森があり、農作物が育ち、動物や人間が生きていける」、これが自然である。 自分がInstagramやHPに掲載している写真をよくよく見てもらえば分かると思うが、半分以上は晴れた日のものではない。 写真を見て「綺麗だな」と思うと、それが晴れている日だと思い込んでしまっている人が多いようだ。 [...]
6月 2026
お勧めの季節(ベストシーズン)は?
6月下旬、麦の穂が実り始め、牧草ロールを見かける時期となった。 さて、今日は美瑛のベストシーズンについて、話すこととしよう。 よくInstagramのDMやお泊りのお客さんからチェックアウトのときに「お勧めの時期はいつですか?」と問われる。 泊まられた方は、その方の嗜好や興味が分かるため、その人にとってのお勧め時期を回答しやすいが、会ったこともない方からのDMなどで一言「お勧めの時期は?」と問われると回答が難しい。 試しにGoogleのAIに「美瑛のお勧め時期は?」と問うてみた。 回答は、美瑛や北海道を知らない人が机上の情報だけで作ったような、また、一昔前の旅行会社のパンフレットに書かれていたような雰囲気のものだ。自分の尺度でいえば「適当でない」情報だ。 では、自分の感情や感覚を挟まず、事実のみを書くとする。 4月 春とはいえ、寒い。東京でいうところの冬のような気温。観光客は少なく静か。 5月 丘の農地を畑お越しのトラクターが行き交う。GWは少し観光客が増えるものの、まだ少なめ。 6月 暖かい日が増える。丘は緑。アスパラの最盛期。後半はラベンダーなど観光用花畑目当ての観光客が多い。 [...]
5月 2026
ありがとう
今日、何十年も続いた美瑛のお店が一つ幕を下ろす。 自分たちのような事業者にとっても、また一般の生活者にとっても大事なお店であった。 うちの宿は、開業して半年ほど経った5年ほど前からのお付き合いで、宿を廻していく業務のうち欠かせない部分をお願いしていた。 そのお店はご夫婦だけで切り盛りする家族経営の小さなお店。小規模の宿泊関係事業者や、一般の人にとっても家庭でできないことをお願いできる専門の職人さんのお店だ。 自分がこのお店に依頼していた理由、それは職人としての技術ももちろんであるが、拘りをもって仕事をしてくれる姿勢と誠意ある対応であった。 週に数回、店を訪れ業務をお願いする。受付はほぼ奥さんで、数分・数秒ではあるが、毎回、地域のこと、家族のことなどの雑談をするのを楽しみにしていた。 専門的なことを質問すると、職人であるご主人が、その都度、作業場から受付まで出て来て丁寧に説明してくれた。 依頼して仕上がって来たものを持ち帰り、客室の準備段階で開封しセットするとき、ご主人の職人としての拘りと丁寧さが、その一枚一枚から感じられた。 お客さん一人ひとりと会話し丁寧に対応すること、また「もの」や「こと」に魂(思い)を吹き込むこと、そこには見習うべき姿勢があった。 「Face [...]
命をいただく
皆さん、食事のとき「いただきます」と言っていますか? 自分は時々、言い忘れることがある。 自宅で食べるときに言い忘れることは無いが、どちらかというと、外食のときはおしゃべりに夢中になり忘れるときが多いような気がする。 時々飲食店では、目の前に用意された食べ物に向かって、頭を下げながらとても丁寧に「いただきます」と言っている人を見かける。とても育ちが良さそう(人としての教育を受けた人)だ。 幼少の頃、「いただきます」とは、料理を作ってくれた人に言っている言葉なのだと思っていた。 確か小学校1年生の冬だったと思う。「いただきます」と言わなかった自分に対し、父は食べるのをやめるよう言った。 自分は「いただきます」と言い直すと同時に、その言葉が理解できていないのなら口にしても意味がないと思い「いただきます」とはどういう意味で誰に言っているのかと、父に聞いた。 父は「全てのものに言っている言葉だ」と説明した。 『全てのもの』とは何なのか、いまいちピンと来ず、『テレビで西洋人が「天にまします我らが父よ・・・」と言っているように、神に感謝を伝えているのか、でも、日本は仏の文化なのになぁ』となどと、やはり明確に理解できなかった。 自分たちが生きていくために食べているもの、それはほぼ全て有機物である。肉、魚、野菜、言い換えると動物、植物である。さらに言い換えると生物である。 [...]
4月 2026
『幸せになる』とは
人は、誰しも他人に知られたくないことの一つや二つあるものだ。 漏れなく自分もそうである。 生まれてから半世紀以上、自分の生い立ちや、辛い経験、恥ずかしい経験、過ちなど、何故嫌なことばかり思い出すのだろうと忘れたくても忘れられないことは必ずある。 また、大人になってから幼少期の出来事が常識から掛け離れたことであって、その体験が傷となって、明らかに自分の人生にとってマイナスに働いていることに気づかされることもある。 『幸せ』とは何か、明確には理解できない。 幼い頃は、本やお寺で見かける絵にある極楽浄土のような世界があり、何のストレスもなく暮らすことなのかなと思っていた。 美味しいものを食べて「幸せ」と口にする人もいる。綺麗な景色を見て「幸せ」と口にする人もいる。家族や恋人の笑顔を見て「幸せ」を感じる人もいる。そういった一つひとつの瞬間を『幸せ』と表現しているのだと思う。 ただ、『幸せになる』とは、継続して幸福な気持ちが維持された状態をいうのだと思う。 果たしてそんなことがあり得るのだろうか。もしそんな状態が続いているとしたら、その状態を『幸せ』とは感じず、何の変哲もない平常だと感じるのであろう。 人生、幸せなことより辛いこと嫌なことの方が明らかに多い。 [...]
3月 2026
老い
先月末、家の電話が鳴った。相手は、何もしゃべらない。今はやりの怪しい詐欺電話のようなものかと思っていたところ、10秒ぐらいして細々とした声で、「剛か?」と聞いてきた。全く誰の声なのか分からず、「誰?詐欺電話?」と聞くと「私や。お母さんや。帯状疱疹で入院してんねん。」と弱った声。 あまりにもかすれた声で聞き取り辛く、母親かどうかも分からないため、実家のある四日市市内に住む妹に確認すると、状況は間違いないとのこと。 先月上旬、妹には母親から弱った声で電話があり、実家に行ってみると、食事も十分に摂れなくなっていた母親と父親が、倒れるように寝転がっていたとのこと。 慌てて2人を病院に入院させたが、ある程度体力的に回復したため、とりあえず、以前から軽い認知症の疑いがあった母親を症状が進行しないよう早めに退院させる予定だと、報告を受けた。 そのような状況中での、母親からの電話であったのだ。 そして先月下旬に母親だけ退院したのだが、時すでに遅し、入院中に認知症がかなり進行してしまったようだ。 母親からは、1日に何回も同じ内容の電話がかかってくる。 そして、今月8日、急遽、旭川空港から羽田空港、東京から新幹線で名古屋、そして四日市へと2年ぶりに帰省、4日間滞在した。 10日に介護保険の認定調査を受けたが、多くの老人がそのような傾向があるらしいが、調査の時だけは「大丈夫、何でも分かる」と気丈にふるまうらしく、母親も同様であった。自分の老いを公には認めたくないのだろう。 妹に詳しい状況を聞くと、父親は認知症の症状が軽いものの、脊柱管狭窄症が悪化し歩行が困難なようで、未だ入院中であるとのこと。 [...]





