5月になった。GWの真っただ中、美瑛の桜は今が満開だ。
とはいっても、最低気温は0℃近くになることもある。
広大な農地の秋まき小麦は、雪解けとともにぐんぐん成長し、濃い緑の絨毯のようだ。徐々に樹々は芽吹き始め、新緑を覗かせている。

この時期に困ったことがある。白樺の花粉によるアレルギーだ。
薪割や草刈などの作業をしていると、目は痒いし、鼻が詰まる。
本州にいた頃は、スギやヒノキの花粉には全く反応しなかったが、北海道に移住して5年ぐらいたったころから、この時期になるとこのような症状が出る。
白樺というと、本州の人には人気の木で、僕も白い幹を見るのは好きだ。
ただ実は、道産子にはあまりにも普通に生えている木で、特に好きだという人はあまりいない。それどころか農家さんの多くは、畑の脇などに生え、成長も早く、トラクターでの作業の邪魔になるため迷惑な木だという。
でも、この時期の白樺は、小さな芽を出し、それが日に日に開き始め、黄緑色の綺麗な葉を沢山付ける。この薄い黄緑色と真っ白な幹は、ずーっと見ていても飽きない。
故・前田真三氏の写真ギャラリー「拓真館」の敷地にある白樺の回廊を歩くのは良い。美しい写真を見て、鼻がムズムズしながらでも回廊を歩き、同じ敷地内にあるSSAWというカフェで一息つく。

6月中旬から8月の美瑛は、花畑を見ようと沢山の観光客が押し寄せ、有名スポットは人だらけ車だらけになる。花畑はあくまでも観光客向けに造られたもの、本来の美瑛の姿ではないと思う。農家さんが農作物を作る過程で出来るパッチワークのような農業景観が本来の美瑛である。5月は人が少なく、そんなの美瑛を静かに見ることの出来るお勧めの季節だ。
折角、都会から来るなら、人混みでごった返す時期ではなく、静かな時期に来てほしいと思うのである。