月別アーカイブ:7月 2022

天の川(宇宙の偉大さ)

天の川の最も濃い部分がよく見られる季節になった。ただ、北海道・美瑛は曇りの日が多く星を観察するには向かない日が続いていたが、先日は快晴の夜空、満天の星が現れた。日の入りは19時頃で20時頃までは薄っすらと明るいため、星を見るには21時以降がよい。シュカブラの庭でも十分に星は見えるし、天の川も白いものが流れるように見える。初めて天の川を見る人は、薄雲があるように見えるらしく「あの辺は、少し雲がかかっていますね」などという。「いいえ、あれが天の川ですよ」「えーっ!」 この日は、もっとよく見える真っ暗な丘に出かけた。あとで聞いた話だが、その辺は熊がよく出る所らしく、畑の周りには鹿や熊よけの電気牧柵も張り巡らされている。撮影中にも、電気牧柵の警告音がなり、時折、ピカピカと照明も光る。と同時に「ギャー、ギャー」と野太い声が。恐らく熊が電気牧柵に絡まったのだろう。慌てて三脚をたたみ退散した。 最近のカメラは高感度性能が凄い。簡単にこんな星空が撮れてしまう。天の川の星々は綺麗に映るし、明るい星の様々な色も。 天の川は私たちが住んでいる太陽系がある渦を巻いている銀河系の星が密集している帯状の部分である。密集とは言っても星と星の間は光の速さで何年もかかる距離であるが。 例えば、この時期によく見えるサソリ座の心臓に位置する1等星、アンタレスという星は地球から550光年離れている。ということは、今見ている光は550年前に光った様子を見ているということだ。もしかしたら、もうアンタレスという星は消滅してしまっているかもしれないということ。一瞬、理解ができない。 星空を見ながら、そんなことを考えていると、気が遠くなると同時に、人間なんて小さな空間でいがみ合ったり、喧嘩をしたり、たたえ合ったり、ちっぽけだなと思うのである。 最近、小学校6年生の次男が、「将来、宇宙飛行士になる」と言い出した。「宇宙兄弟」という漫画に影響されたようである。実現するかどうかは別として、どんなきっかけであっても、大きくても小さくても目標をもって生きることは大切だ。たとえ、ちっぽけな人間社会であっても。

2022-07-30T09:01:31+09:002022.07.30|

二人掛けのベンチ(シンボルツリーの下で)

シュカブラの敷地内には、シンボルツリーの大きな白樺がある。敷地は6000㎡あるが、丘の上で見晴らしがよいため、林がなく影が少ない。ヴィラのウッドデッキにオーニングを付けたいと思い検討したが、時折、丘の下から上がって来る強い風に耐えられず破損する恐れがあるため設置を諦めた。 何とか影が作れないだろうかと、昨年の夏から考えていたが、良い方法が見つからず諦めていた。 先月、よく晴れた暑い日に草刈りをしていたところ、ふと気が付くと脳天を突き刺すような日差しが治まった。しかし、遠くに見える丘やヴィラにも日が降り注いでいる。ふと見上げるとシンボルツリーの下にいることに気が付いた。木陰ができているではないか。「ここがあったか!」 私たち家族は、この木をシュカブラの木と呼んでいる。 この暑い時期の午前10時頃から正午頃までではあるが、影ができる。おまけに、十勝岳連峰や美瑛の丘が一望できるではないか。こんな良い場所があったとは。 早速、ウッドデッキを作ることにした。工作をする際には、ヴィラを建てたときの廃材を使い、足りないものは近くの建築現場で使わないものを貰ったり、ホームセンターで調達するのである。 接客の合間を縫って、ウッドデッキを5日間ほどで完成させたが、このままでは物足りず、カフェコーナーにしようとベンチも作ることにした。一人掛けの椅子を2つにするか、もしくは二人掛けのベンチを1つにするか妻と相談した。新婚さんや若いカップルは黙っていても引っ付いて座るが、年を重ねた夫婦は磁石の同極のように、ある一定の距離を保つのが一般的な話だ。妻の意見で、ご夫婦にも旅に来たのだから密着してもらおうと二人掛けを選択した。 誰にも邪魔されず、二人だけの時間を過ごしてほしい。シュカブラの木の下で。

2022-07-18T17:32:41+09:002022.07.18|

新婚旅行(夕焼けに浮かぶ二人)

新婚さん、夕焼けを望む。 シュカブラには、新婚旅行で訪れてくれる方が多い。コロナの影響で海外旅行に行けないことも影響しているのだろう。 わざわざ、飛行機で何時間もかけて海外に行かなくても、美瑛の丘は北欧のような風景が見られる。 先日も若いお二人が来てくれた。 一通り、敷地内のことや館内の説明をした後、「今日は雲が程よくあるので、夕焼けが綺麗に見えると思いますよ」と伝えると、「素敵な景色を見に来ました」と奥様。「今日の日の入りは19時頃、夕陽が沈んだ後に夕焼けがやってきますから」と私。「見たい、見たい」と目を輝かせる二人。夕焼けを見た後、焚火をする予定だ。 空に向かって、「二人のために焼けてくれ」と願う。 19時前、そろそろ西の空がいい感じになってきた。シュカブラは、東側の窓は大きいため手に取るように外の様子が分かるが、西側はベッド上の小窓だけであるため、少し外の様子が分かりづらい。いい色になってきたことを伝えようとドアをノックする。反応がない。長距離運転で疲れて寝てしまったのかなと思い引き返そうと振り返ると、染まった空に浮かび上がった二人の姿。思わずシャッターを切った。時を忘れて、西の空を眺める二人。 少し羨ましい。自分にもこんな頃があった・・・はず。 その後、初めて経験する焚火を存分に楽しまたようだ。 夏の北海道は、昼間の時間が長い。日の出も4時頃で3時半には薄明るい。奥様は、朝焼けも見た様子で、「素敵な景色が見られて大満足」と、またまた、目をキラキラさせていた。本当に嬉しいことだ。

2022-07-05T10:55:45+09:002022.07.05|
Go to Top