春本番
GWが終わり、美瑛にも本格的な春がやってきたという感じである。 エゾヤマザクラが満開になり、広大な農地は、秋に秋撒き小麦や牧草の緑が鮮やかだ。 農家さんは、畑起こしや定植、防除にと大忙しだ。 この季節や秋に来られるお客さんからは、よく服装についての問い合わせがある。 日によって大きく違うばかりではなく、美瑛は内陸のため、朝晩の寒暖の差が激しい。また、1日のうちでも天気が目まぐるしく変わるため、昼間は長袖シャツ1枚、夜はライトダウンやフリース、星を見るために長時間にわたり外にいる場合は、厚手のダウンが必要だ。 また、いつも言っているが、北海道はとてつもなく広く、函館などの道南、札幌周辺の道央、旭川や稚内の道北、そして、知床や釧路などの道東で気候が違う。 北海道を旅行する場合、距離感をひとくくりに考えてしまいあまりの広さに面食らう人が多いが、気候も同様だ。 自分が初めて北海道を旅行したのは、30年近く前の6月であった。小樽や札幌、旭川はそれなりに気温が高く半袖で過ごしたが、道東にある別海町のバンガローに泊まった時は、寒さで一晩中凍え、一睡もできなかった。日の出前、車に取り付けた温度計は氷点下を指していた。 今時期の美瑛の野菜はハウスもののアスパラと、昨年の秋に収穫され越冬熟成した甘みの強いジャガイモがお勧めだ。 今月下旬には、露地もののアスパラも最盛期に入り、葉物野菜も少しずつ採れだす。 新鮮な野菜が破格の値段で購入できる「美瑛ふるさと市場」もオープンを控え、道民が弾けたように活気づく夏がやってくる。 いつも言うが、北海道はみんなが想像しているより広いと思う。 道内をあちこち巡るのも悪くはないが、その地域の風土を感じ楽しむなら、道内での移動距離を抑え、同じ宿に連泊、同じ宿が無理なら同じ地域に連泊することがお勧めだ。 もう一点、7・8月の「青い池」や有名な花畑はお勧めしない。時間帯を誤るととんでもない混雑だ。駐車場に入るために2時間の渋滞、入ってからは大型観光バスから人がゾロゾロ。 チェックインの時に、ぐったりしたお客さんから聞くのが、有名観光スポットに行くと人混みだけではなく、大声ではしゃぐ異国の人がとんでもなく沢山いて、日本語を聞くことは稀で外国のようだったという話(もちろん、マナーの良い外国の方もいる)。 都会から来て、わざわざ人混みに行くことはないと思う。 観光用に整備された花畑が見たい人は、なるべく空いている時間帯(開園直後や閉演直前)をお勧めする。 お客さんの多くが、観光用の花畑を見て「すごく綺麗だと」というらしいが、自分の車でお客さんを丘案内をしたときに広大な農地を見て口にするのは「言葉にならない」だ。