月別アーカイブ:2月 2023

一部の困った観光客問題(ニュースの話題)

2月中旬になり、美瑛の丘は天気が安定し降雪量も減ってきた。ただ、晴れると放射冷却で日の出前の気温が氷点下20℃を下回ることも珍しくない。先日も-28.1℃を記録した。ただ、そんな時でも室内は+20℃以上はある。その差はなんと50℃、改めて北海道の住宅の断熱性能の素晴らしさを実感する。 先日、泊まられたオランダからのお客さんは、有名なラジオDJとのことであった。日本に1ヶ月以上滞在し、地元の人々と交流しながら全国を旅されているようだ。 私は英語がほぼ出来ない。相手は日本語が全くできない。さて、どうしたものかと思案したが、先ずは笑顔だ。相手もにこやかに笑っている。とりあえず、こちらも笑おう、という感じ。次にスマホを取り出し「Google翻訳」で会話。慣れるまで使いにくいが、それなりの長文も訳してくれる。 オランダはあまり雪が降り積もることはないようだ。ヴィラの室内には薪ストーブを設置しているが、これを2時間も焚けば27℃ぐらいまで室温が上がる。客人、珍しいサラサラの雪を見てかなりのハイテンションだったのか、暖かくした室内でパンツ一丁になり、ウッドデッキに出る裏口を開け、そのまま裸で真っ白な雪にダイブした。雪で埋もれたウッドデッキの上には見事なスノーエンジェルが残っていた。この方のインスタの投稿を拝見したが、滞在をとても楽しまれたのが分かった。 言葉は通じないが、楽しんでほしいと思う気持ちは通じたようだ。 先日、テレビの全国ニュースで美瑛の近況が取り上げられていた。良いニュースではない。外国人観光客の農地への不法侵入や見学時のマナーの悪さについてのものだった。 美瑛には、「クリスマスツリーの木」や「セブンスターの木」などの観光スポットがあるが、これらの木が立っているのは、農家さんの私有地である。決して観光目的に植えられてものではなく、入植した当時に隣人との土地の境界として植えたものや、一緒に畑を起こした馬や牛が亡くなった際に墓として植えたものなどだ。 私有地であり畑であるから、当然、無断で入ってはダメなところである。また、美瑛の丘にある民家は土地が広く、公園のように見えるところもある。このような民家の敷地にも入る人がいる。農地や民家の敷地入口には5か国語で「立入禁止」の看板が設置されているが、これを無視して進入する観光客やカメラマンがいるのである。 私の自宅も然り。先日は韓国人が看板を無視して立ち入った。敷地内にある大きな白樺を撮りたいからのようである。先日から時々このようなことがあり、我慢できなく今回は不法侵入として警察を呼んだ。その韓国人は現場で2時間ほど事情徴収され、その後、署へ連行されていった。 観光ルールを守らないのは、決して外国人だけではなく、日本人にもいる。一部のマナーの悪い人たちのせいで、地元の人たちはピリピリせざるを得ないばかりか、善良な旅行者も楽しさが半減する。この美しい美瑛を壊す人には来てほしくないものだ。このようなことが続けば、農家さんの営みによってできたこの美しい風景はなくなっていくだろう。これは、多くの美瑛町民が思っていることである。

2023-02-18T18:46:16+09:002023.02.18|

吹雪の中のドライブ

丸く見えるが、三日月の光である。星と月を同時に撮るのは難しい。月に露出を合わせると星はほとんど写らないし、星が写るよう露出設定すると月は輪郭が分からなくなる。人間の目は凄い。この2つを同時に見ることが出来るのだから。 先日、来られた若いお二人、埼玉からわざわざシュカブラに泊まることをメインに来ていただいたようだ。来られる前からLINEでやり取りがあり、天気予報では荒天にならない予報であることを伝えていた。到着する日の午前中は、風もなく青空や十勝岳連峰も見え俗に言う「いい天気」だった。きっと飛行機からは綺麗な山や丘が見られているのだろうと安心していた。この日はチェックアウトさせる方がおらず、時間的に余裕があったため、13時に旭川空港までお迎えに行くことになっていた。空港に向かう途中の道からも、綺麗に山が見えていた。だが、空港に到着すると天気は急変しだした。空港ターミナルの屋根に積もった雪が強い風を受け地吹雪のように飛ばされだした。西の空には雪雲がどんどん近づいて来る。 空港で落ち合い宿に向かう道すがら、セブンスターの木やクリスマスツリーの木に立ち寄ったが、ほぼ吹雪状態になっていた。気温はマイナス6℃程度と低くないが、雪が当たり、顔が痛い。お客さんと「痛いね、痛いね」と言いながら写真を撮った。空も地面も真っ白で道の境目が分からないくらいだ。宿に到着、明日は青空を見せてあげたいと願っていた。夜になると、風が収まり少し星も見えるようになった。玄関アプローチにあるアイスキャンドルに火を灯すことにした。 翌朝、雪は降っていた。時折激しく。チェックアウト後、一緒に故・前田真三氏の写真ギャラリー拓真館に行き、Netflixのドラマ「初恋」の料理を監修した高橋よしこ氏の経営するSSAWでランチを食べ、寄り道しながら空港まで車を走らせた。やはり、今日も吹雪、どこを向いても真っ白だ。「真っ白、真っ白」とお客さん。こんなに白一色になるのも年に数回しかないが、まともにこれに当たってしまった。できれば、青空や夕陽に照らされ色付く山並みも見せてあげたかったと少し残念に思っていた。 空港に着き、お客さんから「最高でした」と、少し残念に思っていた私の気持ちを吹き飛ばすような言葉。救われた。 いつも、お客さんには宿だけではなく美瑛を十分楽しんでもらいたいと思っているが、反対にお客さんから喜びを与えられることがよくある。最高の瞬間だ。

2023-02-04T10:32:24+09:002023.02.04|
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