2月中旬になり、美瑛の丘は天気が安定し降雪量も減ってきた。ただ、晴れると放射冷却で日の出前の気温が氷点下20℃を下回ることも珍しくない。先日も-28.1℃を記録した。ただ、そんな時でも室内は+20℃以上はある。その差はなんと50℃、改めて北海道の住宅の断熱性能の素晴らしさを実感する。
先日、泊まられたオランダからのお客さんは、有名なラジオDJとのことであった。日本に1ヶ月以上滞在し、地元の人々と交流しながら全国を旅されているようだ。
私は英語がほぼ出来ない。相手は日本語が全くできない。さて、どうしたものかと思案したが、先ずは笑顔だ。相手もにこやかに笑っている。とりあえず、こちらも笑おう、という感じ。次にスマホを取り出し「Google翻訳」で会話。慣れるまで使いにくいが、それなりの長文も訳してくれる。
オランダはあまり雪が降り積もることはないようだ。ヴィラの室内には薪ストーブを設置しているが、これを2時間も焚けば27℃ぐらいまで室温が上がる。客人、珍しいサラサラの雪を見てかなりのハイテンションだったのか、暖かくした室内でパンツ一丁になり、ウッドデッキに出る裏口を開け、そのまま裸で真っ白な雪にダイブした。雪で埋もれたウッドデッキの上には見事なスノーエンジェルが残っていた。この方のインスタの投稿を拝見したが、滞在をとても楽しまれたのが分かった。
言葉は通じないが、楽しんでほしいと思う気持ちは通じたようだ。
先日、テレビの全国ニュースで美瑛の近況が取り上げられていた。良いニュースではない。外国人観光客の農地への不法侵入や見学時のマナーの悪さについてのものだった。
美瑛には、「クリスマスツリーの木」や「セブンスターの木」などの観光スポットがあるが、これらの木が立っているのは、農家さんの私有地である。決して観光目的に植えられてものではなく、入植した当時に隣人との土地の境界として植えたものや、一緒に畑を起こした馬や牛が亡くなった際に墓として植えたものなどだ。
私有地であり畑であるから、当然、無断で入ってはダメなところである。また、美瑛の丘にある民家は土地が広く、公園のように見えるところもある。このような民家の敷地にも入る人がいる。農地や民家の敷地入口には5か国語で「立入禁止」の看板が設置されているが、これを無視して進入する観光客やカメラマンがいるのである。
私の自宅も然り。先日は韓国人が看板を無視して立ち入った。敷地内にある大きな白樺を撮りたいからのようである。先日から時々このようなことがあり、我慢できなく今回は不法侵入として警察を呼んだ。その韓国人は現場で2時間ほど事情徴収され、その後、署へ連行されていった。
観光ルールを守らないのは、決して外国人だけではなく、日本人にもいる。一部のマナーの悪い人たちのせいで、地元の人たちはピリピリせざるを得ないばかりか、善良な旅行者も楽しさが半減する。この美しい美瑛を壊す人には来てほしくないものだ。このようなことが続けば、農家さんの営みによってできたこの美しい風景はなくなっていくだろう。これは、多くの美瑛町民が思っていることである。