月別アーカイブ:1月 2023

雪原の影

年が明けてもう半月が経った。あっという間だ。 先週の北海道は暖かく、美瑛でも日中はプラスの気温になった。例年に比べ積雪が多かったが、雪融けが進み幹線道路はアスファルト路面が見えているところが多くなった。 こうなると、厄介なのはブラックアイスバーンなど、分かりづらい凍結路面だ。日中に溶けた雪が凝ったり、アイスバーンの上に水の膜ができていたりと、道路は天然のスケートリンクのような部分が沢山できる。 案の定、スリップして中央分離帯や路側帯の雪山に激突したりする車が多く、痛々しい車体や車が突っ込んだことが分かる道路脇の痕跡が沢山見られる。 ハンドルも切らず、まっすぐ走っているつもりでも、何故か右の方へ流されたりするのだ。こんな時に対向車が来たら、正面衝突。先日も旭川駅までお客さんを迎えに行き、宿まで戻る途中に、2台前の軽ワゴンがスリップして中央分離帯に接触し、180度回転して止まった。お客さんにとっては初めて見る光景、ビックリすると同時に、北海道の冬の様子を目の当たりにし、北国の厳しさを感じられたのではないだろうか。少し興奮されていた。 雪が降る日や、とてつもなく冷えた日ではない、冬の暖かくなる日は、気が緩みがちになるので要注意だ。 3日ほど前、快晴の夜明けがあった。十勝岳連峰の上空がオレンジに染まり、マジックアワーが終わると白み始めた山の端から眩しすぎる太陽が昇ってきた。このような斜光の時間は、丘の上に立つ一本の木を照らすと雪原に綺麗な影を作る。 太陽に照らされれば、その反対側には影ができる、当たり前のことだが、何か神秘的で幻想的だと思う。

2023-01-15T18:41:39+09:002023.01.15|

あけましておめでとう

あけましておめでとうございます。 シュカブラかの窓から見える花火を見て、新年を迎えました。 昨年は10月から外国人の入国制限が撤廃され、大型バスに乗った韓国からの観光客が一気に増え、美瑛の街も活気づいてきました。 ただ、それに伴いマナーの悪い方も増えており、農地や民家への立入やゴミのポイ捨て、通行の妨げとなるような写真撮影をよく見かけます。 観光客が来て経済が潤うのは、大変ありがたいことですが、このようなマナーの悪い人が来ることで、美瑛の美しい景色や環境は失われ、美瑛を楽しみに来る人も減り、結果的に地域の衰退に繋がります。 全国各地、いや世界中、どこでもそうだが、その土地にはその土地なりの風土があり、それがあるからこそ地域の特色があり、他の地域から来た人が新鮮な感覚を覚え、感動することが出来る。それは、その土地の人たちの日々の生活から生まれてくるもので、守られている環境である。旅する人は、それを感じ理解してほしいと思うのである。 人間は、本能として変化や刺激を求める生物らしい。旅することもその一つであるという。 昨年は約170組のお客様がいらしたが、多くの方が、到着された時と出発される時で、表情が違うのを感じた。何となくではあるが、この地に対する私の思いを理解してくださっているような感じがするし、そのことを口にされる方もいる。 1日1組限定の宿であるため、1年でそれほど多くの方とお会いできるわけではないが、できるだけ多くの方に、旅やその土地のことを理解してもらいたいと思うのである。 今は亡き私の友人が20年前に言っていた言葉がある。 「観光と旅は別物だ」 宿というものをはじめ、この言葉の意味がよく理解できる。

2023-01-01T18:38:23+09:002023.01.01|
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