秋まき小麦には穂が付き、すくすくと成長している。ジャガイモやトウモロコシ、ビート、蕎麦なども徐々に成長し、今の美瑛の丘は、1年のうちで一番緑の多い時期かもしれない。
先日、改めて気付かされたことがある。
観光に来られた方が、所謂有名(撮影)スポットを巡っても、地元民が同じ場所に向かうのとは見え方が違うということ。
チェックインの際、お勧めスポットをお知らせし、翌朝、車で巡られたようであるが、その感想を聞いてみると想像していたものより感動が少ないように感じた。少し道にも迷われたようであった。
美瑛は広大な農地の間を道路が走っており、目印になる物があまりないため、道にも迷いやすく、特に内緒のスポットなどは看板もなく目的地にたどり着いたのかどうかも分からないこともある。
再度、人が少ない穴場スポットに挑戦してみたいとのことであったが、もしよろしければと、夕方、こちらの車で、丘を案内することになった。
改めて、朝は何処に立ち寄られたかを確認したが、穴場スポットの他、取りこぼしなく良さそうなポイントを巡られている。
ただ、スポットに向かうまでの経由した道が違うようだ。
お客さんと一緒に、宿をスタート、「ここを通りましたか?」「ここで曲がりましたか?」と聞くと、コースが違うことが分かった。
ナビを使うと一般的に最短コース(稀に変な道)を案内し、スポットに行くにはその道が一番早いが、自分が目的地に向かう際には、最短コースに拘らず、途中、綺麗な景色が見えるところを周るようにしている。ここのところは、なかなか地元民じゃないと分からないところである。
夕食のレストランにお送りする1時間程度と短い時間ではあったが、お客さんの反応は上々、「ここから見るのか。角度によって見え方が全然違ってすばらしい」「満喫した」「きれい」などなど。
ご夫婦やカップルなど、お二人の大切な時間を邪魔しようとは思わないが、丘の案内など、地元民として旅の感動をお手伝いができることに喜びを感じるのである。
宿の周りの畑は、そばの小さな芽が出始め、成長の勢いは早く、毎朝、目覚める度に緑が多くなっている。
7月には白い小さな花で覆いつくされるだろう。