ありがとう
今日、何十年も続いた美瑛のお店が一つ幕を下ろす。 自分たちのような事業者にとっても、また一般の生活者にとっても大事なお店であった。 うちの宿は、開業して半年ほど経った5年ほど前からのお付き合いで、宿を廻していく業務のうち欠かせない部分をお願いしていた。 そのお店はご夫婦だけで切り盛りする家族経営の小さなお店。小規模の宿泊関係事業者や、一般の人にとっても家庭でできないことをお願いできる専門の職人さんのお店だ。 自分がこのお店に依頼していた理由、それは職人としての技術ももちろんであるが、拘りをもって仕事をしてくれる姿勢と誠意ある対応であった。 週に数回、店を訪れ業務をお願いする。受付はほぼ奥さんで、数分・数秒ではあるが、毎回、地域のこと、家族のことなどの雑談をするのを楽しみにしていた。 専門的なことを質問すると、職人であるご主人が、その都度、作業場から受付まで出て来て丁寧に説明してくれた。 依頼して仕上がって来たものを持ち帰り、客室の準備段階で開封しセットするとき、ご主人の職人としての拘りと丁寧さが、その一枚一枚から感じられた。 お客さん一人ひとりと会話し丁寧に対応すること、また「もの」や「こと」に魂(思い)を吹き込むこと、そこには見習うべき姿勢があった。 「Face to face」、無機質でなく面と向かって対応すること、何十年も続いたお店には遠く及ばないが、自分たちも「ただ、宿泊者に建物を貸す」ということだけではなく、「美瑛のこと」や自分たちの思いをお客さんに感じ取ってもらえるよう、シュカブラの一つひとつに魂を込め、シュカブラの一つひとつから宿主の思いが感じてもらえるよう努めたい。 お付き合いのあった5年間で、2年前にご主人が腰を痛めたり、昨年は奥さんが病気で入院されたりと、仕事を続けて行くうえで不安を抱えておられた。また、これまでほぼ休みなく働いてきたとのことで、そろそろ自分たちの自由な時間を持ちたいと考えられ、今回の閉店となったようだ。 お店がなくなってしまったことは、自分にとっても、間違いなく他の美瑛町民にとっても、とても残念なことではあるが、今後、お二人が穏やかでありながら、自由な時間を使い旅行などでの新たな発見で時にはワクワクドキドキするような時間を過ごせるよう願う。 何か気の利いたメッセージでも書きたいところではあるが、良い言葉が浮かばない。









