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About 櫻井剛

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So far 櫻井剛 has created 138 blog entries.

思い描いた景色との出会い

僕はクールな人間なのか? 『ホームページやブログの写真や文章から、櫻井さんはクール人だと想像していた』と旅行を終え帰宅された女性からのお礼のメッセージの中に、そんなことが書かれていた。 意外な言葉であった。ストイックな奴だと言われたことはあるが、『クール』だと言われたのは、人生でおそらく2回目だ。正確にいうと1回目はクールではなく『冷たい人』と言われたような気がするが。 身近な人は、僕のことを熱く、また、かなり拘りが強く頑固だと言う。 彼女は、お母さんともうすぐ2歳になるお子さんと3人で3泊された。オープンした直後の3年前ぐらいにインスタでシュカブラを見つけ、それから、ブログやインスタの投稿を頻繁に見てくれていたようで、彼女に自分の身の上話や美瑛の出来事を話すと、多くのことを知っていたのである。 『えっ、なんで僕のそんなことまで知ってるの???』と思うことも多くあったが、記憶を辿ると確かに過去にブログに書いた覚えがある。 こんなにまで、隅々まで読んでくれている人はなかなかいない。感激である。 彼女は美瑛に来て、シュカブラに泊まるということの他に、青空や星空をバックにクリスマスツリーの木やセブンスターの木の横の白樺並木などを撮影するほか、ダイヤモンドダストなどの稀に見られる自然現象を見たいとのことで、旅行前からLINEでやり取りし相談に乗っていた。だが、如何せん晴れや星空などは天気次第、僕にはどうしようのないことで、彼女には、どんな天気でも楽しめるようニュートラルな気持ちで来てほしいと話していた。 到着された日、旭川空港にお迎えに行ったが、空も真っ白で、やや吹雪ぎみだ。彼女やお母さんが「空も地面も真っ白っていうのも綺麗ですね」との言葉に少しほっとした。 でも、彼女はやはり青空と星が見たいんだろうなと思いながら、『少しでも晴れ間が覗いてくれたら』と願った。 ときどき日が差し込み青空が見えるが、何となくすっきりしない天気で3日目の夜を迎えた。20時頃は星など全くと言っていいほど見えない曇空である。23時頃になり、雲の切れ間から少しだけ星が見えだした。ダメもとで星を見に行くかと彼女に問うと、「行きたい」との返事が。一か八か行ってみるかと思い、真っ暗な丘を車で走る。よく僕が撮影するセブンスターの木の横の白樺並木が見えるところに着いた。 ほんの10分前、ほとんど雲に覆われていた空は澄み渡り、満天の星空が目の前に広がっていた。 何か所かの撮影ポイントを巡り、最後はクリスマスツリーの木。時刻は午前1時半、静まり返った暗闇、華やかな冬の星座をバックに佇む一本の木。聞こえるのは、キュッキュッという雪を踏みしめる音だけ。気温は氷点下18℃、痛くなる指先でシャッターを切った。 翌朝(その日の朝)、旅行の最終日、氷点下22℃快晴である。いつのも橋の上に行くと、高い確率でダイヤモンドダストが見られるの気象条件が揃っている。 『予定通り、出発する』と彼女にLINEし7時半頃、橋の上に到着。 川霧立つ中、朝日に向かってじっと待つ。キラキラとダイヤモンドダストが少しずつ見えだし、徐々に濃くなると、小さめであるがサンピラーも現れた。 彼女の勝ち、彼女の執念。1シーズンで何回も見られない現象が起こっている。感動する彼女の眼は少し潤んでいるように見えた。(寒さで涙が出たのかもしれないが) 「あれが見たい、こんな写真を撮りたい、撮り直して」と遠慮なく言ってくれる彼女は、僕と親子ほど年が離れている。僕には娘はいないが、娘がいたらこんな感じなのかと、不思議な気分の4日間であった。 彼女とは16時間ほど一緒に昼夜の丘をドライブしながら話をしたが、たぶん僕のことをイメージしていた『クール』とは程遠い人間だと感じたのではないだろうか。 どちらかというと、『北の国から』の黒板五郎のようなホットな人間だと、自分では思っている。

2024-02-13T08:58:28+09:002024.02.13|

誕生日

2月2日、54歳になった。正確に言うと「年齢に関する法律」では前日の2月1日に54歳になっていたのであるが、それはよしとしよう。 今日は、誕生日を祝うような地吹雪である。気温は氷点下10℃ほどで、風があるため体感温度は低いが、息をすると肺が凍りそうな氷点下20℃の晴天の朝ほどではない。 部屋の中は暖かいから、清掃のときは半袖半ズボンだし、自宅兼レセプションの間を行ったり来たりするのも、そのままの恰好だ。 顔や腕、脚にたたきつける雪も気持ちがい良い。 シュカブラの前の通りから、こちらを眺めている観光客は、とても驚いたような表情で僕を見ている。 「大丈夫ですよ、着てますから」というように身振りで挨拶すると、あちらも笑って返してくれる。 還暦まであと6年、30歳になったときに北海道に移住し、元気に動けるのは60歳までで、そのうちの半分を過ぎてしまったと思っていたが、いくつかの稀な病気にかかり、身体に障害も残っている状況を考えると、改めてそれが現実のような気がしてくるのである。 16歳の長男、14歳の次男を見ていると、人生なんてあっという間だから、早くやりたいことを見つけて、それに向かって進めと言いたくなるが、自分の高校生の頃は、好きなテニスと好きな女の子を追いかけているだけで、特に何も目標はなかったなと思い返してしまうのであった。

2024-02-06T16:40:18+09:002024.02.02|

やはり東京は寒かった

先週は所用で次男と東京方面に行ってきた。 1月の東京が寒いのは知っている。もちろん、気温自体は美瑛より高いが、何か質の違う嫌な寒さだ。 半袖のインナーシャツに長袖Tシャツ、ダウンジャケットという服装で、ほぼ美瑛にいる時と同じ格好だ。 羽田に着き空港内を歩く。流石に屋内はダウンを着ていると少し暑く感じられる。 地下鉄に乗り、目的地に着き屋外に出る。 今日は暖かい日のようだ。「ダウンジャケットまでは要らなかったかな」と思った。 羽田に着いてから、2時間ほど経過したころだろうか、喉がイガイガしだした。『風邪でもひいてしまったのだろうか』と思い咳払いをすると、隣の次男も咳払いをしている。 次男と顔を見合わせ、「んっ、空気が汚い」「風邪じゃないな、たぶん」 お客さんが美瑛に来たときに、よく言っている。「空気が美味しい」と。そういうことか。 羽田空港を出発し、横浜に立ち寄り、新橋のホテルまで、道のりの殆どが地下道やビル、電車の中で、地上を歩くことが殆どなかった。地上に出てもビルに囲まれ空があまり見えないため、天気の移り変わりが分からない。お客さんが言っていた「通勤で空を見ることがない、外を歩くのは1分程度」と。こういうことか。 夕食を摂るため、ホテルから有楽町まで外を歩いた。「寒っ!」気温は8℃、ダウンも着ている。やはり、北海道の寒さとは質の違う寒さが背中をゾクゾクさせる。カイロを貼っておけばよかったと後悔する。 お店に入っても、まだ寒い。窓が1重サッシで冷気が入って来る。ダウンは脱げない。 外を見るとテラス席があり、そこで食事をしている人もいる。『都会の人は寒さに強いな』と感心する。 3日間滞在し、羽田を飛び立つ前の気温は7℃、寒い。 離陸すると、夕焼けに浮かぶ富士山のシルエットが綺麗だ。 それにしても、東京から2時間弱で別世界の北海道に着くなんて便利だ。 旭川空港に到着。気温はマイナス5℃、暖かく感じた。この気温なら半袖のインナーシャツに長袖Tシャツ、ダウンジャケットで十分だ。 昨日の朝は、マイナス22℃。凍れる寒さだ。晴れ、無風。ダイヤモンドダストの発生する可能性が高い。 いつもの橋の上まで車を走らせた。橋の上で1時間ほどダイヤモンドダストを待つ間、雪面にできる青い影を撮影する。手足の指が痛い。膝がきしむ。でも、いやな寒さではない。

2024-01-17T08:15:16+09:002024.01.17|

ダイヤモンドダストとサンピラーで迎える元日

年末は雪と曇りの日が続きましたが、元日の朝は快晴でスタートだ。 明日はダイヤモンドダストが見られるだろうと期待して眠りについたのだが、今日は日の出前の5時半に目が覚めた。 ダイヤモンドダストは、快晴で氷点下15℃以下、太陽が昇って30分後ぐらいが見られる確率が高い。 日の出前から車を走らせ、先ずは、自宅から西の方向に走り朝焼けを撮る。 次はダイヤモンドダストを狙うため、いつもの橋の上に向かった。 写真を趣味にする人は、同じことを考えるものである。近所に住む写真を趣味にしている60歳代の女性の友人が、自宅敷地から出ようとしたところを雪の吹き溜まりにタイヤがはまり、一生懸命スコップで掘り起こしている。 車を停め「〇〇さん、僕の車で引っ張りましょうか」と声をかけたが、「もうじき、脱出できるから大丈夫。櫻井さん、何処に行くの?」 この天気でこの時間帯、写真家にとっての『何処に行く』は、何を言わずとも『何処に何を撮りに行くか』だ。 「橋」と答えると、「後で行くから」と。 『本当に車は抜け出せるのだろうか』と気になりながらも、目的地の橋に着いた。丁度、朝日が昇って来るところ、初日の出を見ようと、橋の上には10人ほどの観光客らしき人たちがいた。 『この人たち、初日の出を見たら宿に戻ってしまうんだろうな。その後に起こる凄い現象を見ないまま』と思いながら、日の出の写真を撮らないで、ダイヤモンドダストが綺麗に撮れそうなポイントを探し橋の上を行ったり来たりしていると、一人で来ていた女性が僕のことを不思議そうに見る。 『多分、この人も日の出を見て帰ってしまうんだろうな。ダイヤモンドダストが出るかもしれないことを教えてあげようかな』と思ったが、変なおじさんと思われかねないので、声を掛けなかった。 案の定、ほとんどの人が日の出を撮り終えいなくなり、残っているのは地元の数名だけになった。 少しずつダイヤモンドダストが見え始めたころ、無事に脱出できた友人が到着した。 「さっきまで、沢山の人がいたんですけど、みんなダイヤを見ないで帰ってしまって」 「あら」 今日はダイヤモンドダストからサンピラーに変わる凄まじい現象が見られた。 変なおじさんだと思われても、声を掛けておくべきだったと後悔した。

2024-01-02T09:41:25+09:002024.01.01|

冬道運転

昨日は雨が降った。ここ2・3日は気温が高めだ。真っ白だった丘は、広範囲で雪が溶け緑や茶色が見えている。 冬のはじめに雨が降ることは珍しいことではないが、やはり例年より気温が高めのような気がする。 この時期の道路は、とても危険な状態になることが多い。どちらかというと厳冬期よりもツルツル路面だ。レンタカーの観光客は、冬の北海道は雪道だと思っていることが多いが、雪道ではなく、氷の道になることがある。 厳冬期は表面が溶けることが少ないが、この時期の道路は、少し暖かい日には圧雪された雪の表面が溶け、氷の上に水の膜ができる。まさに、スケートリンクである。 それでもレンタカーをよく見かける。日本人らしき人は、ゆっくりゆっくり慎重に運転していることが多いが、韓国人や台湾人は乾いた路面を走るようなスピードで走行していることが多い。 先日も台湾人らしき女性二人組の車が、道路から法面の下に落下していた。その翌日には、韓国人が運転するレンタカーが、地元の軽トラックを巻き込み、道路から落下しているのを見かけた。 美瑛は田舎で、鉄道やバスも少なく、観光するにはレンタカーを使った方が便利ではあるが、自信がない場合は公共交通機関やタクシーを使ってほしい。事故を起こすと旅行も台無しだし、通学中の子供たちをはじめ、地元の人たちが巻き込まれないか心配だ。 12月に入り、お客さんを旭川空港まで迎えに行くことが二組続いた。ほぼペーパードライバーの女性お一人と、もう一組の方は日常的に運転する男女のカップルだったが冬道運転には不慣れであるとのことだった。後者の方は「レンタカーを借りなくてよかった。この道は無理だ」と言われていた。賢明な判断である。 前後の予約状況や時間帯にもよるが、旭川空港や美瑛駅、場合によっては旭川駅まで、お迎えに行くことが出来る場合がある。あくまでも可能な範囲での対応となるが、特に冬には予約の際に相談してほしいと思う。

2023-12-08T07:37:04+09:002023.12.08|

北海道の家

いよいよ、真っ白な美瑛になった。 昨日と今日で一気に雪が降り、根雪になりそうだ。 根雪とは、平地でも来春まで雪が溶けないで残りそうな状態になることをいう。 北海道に移住してから初めて聞いた言葉だ。 先週、宿の閑散期を利用して、研修旅行に行ってきた。行先は軽井沢である。軽井沢町と言えば長野県であるが、群馬県との県境で群馬県側の隣接するところも、軽井沢地区である。 宿泊先は、群馬県側の北軽井沢という地区にある一棟貸の宿であったが、三重県の実家の室内の寒さを思い出し、行く前から「室内が寒いんだろうなぁ」と少し恐れていた。 この建物は、昔、建築家が自分の別荘として建て使っていた物であり、お洒落なデザインのものであったが、案の定、寒かった。 また、その日の夜は、氷点下2℃まで冷え込み、壁にもたれかかると、外気の冷たさを感じるほどだ。1階と2階のストーブ、浴室のパネルヒーター、そして暖炉を焚いた。それでも、廊下や窓の近くはひんやりする。 この建物は築50年程経ったものであるが、北海道の築50年たった建物は、それほど寒くない。 最近でこそ、本州の家も2重や3重窓にしたり、壁の断熱性能を上げたりしているが、まだまだ、北海道の家には追い付いていないように感じる。 北海道は冬の寒さ対策として、断熱にこだわっているが、反対にこの断熱が、夏の暑さ対策にもなっている。 本州の家も、断熱性を向上させることで、冬はもちろん、地獄のような暑さの夏の対策にもなり、省エネになると思う。 北海道は土地が安価であるが、しっかりした家を建てるので建物は高価である。本州は土地が高価であるため、建物も北海道並みのものを作ると初期投資が大変な高額になるかもしれないが、長い目で見ると、財布にも地球環境にも優しいのではないだろうか。 冬にシュカブラに来られた方が、部屋に入って最初に口にする言葉は、「暖かーい」である。外気が氷点下10℃を下回っても、セントラルヒーティングは、21~22℃に設定し、エコ運転。決してフル稼働していない。 是非、北海道の建築方法や技術を全国に広め、活用してほしいものである。

2023-12-07T11:42:32+09:002023.11.26|

旧友と会う(空白の30年)

11月中旬から下旬は、お客さんが少ない。だからと言って、仕事がないわけではない。仕入れや清掃の回数は減るが、空いた時間でやるべきことが沢山ある。 この時期のやるべきことと言えば、冬支度だ。車のタイヤをスタッドレスに替え、トラクターの作業機をロータリー(土を起こすもの)からスノーブロア(除雪するもの)に替え、薪を並べ替え、倉庫にある備品の場所を夏物は奥に冬ものを手前に、草刈機やチェーンソーのメンテナンス、まだまだ、沢山ある。 毎年のことであるが、これがすんなりいかない。今日も2時間程度で終わらせる予定だった仕事が、一日中かかってしまった。その度に学習し経験を積み、来年はもう少しスムーズにと思っているが、だいたい新たなトラブルが発生するものである。 先日、旧友がはるばる福岡から泊まりに来てくれた。 彼女はご主人と子供2人で九州に住んでいるのであるが、出身は私と同じ三重県四日市だ。 約30年ぶりの再会だった。 「どんなに変わっているだろう、分かるだろうか」と少し心配したが、到着し車から降りてくる彼女を見てびっくりした。全く変わっていないと言っていいほどだ。歯切れの良い勢いのある話し方も。普通に街ですれ違っても絶対に分かるくらいだ。 約30年間、全く何のやり取りもなく完全な空白だったのに、まるで2・3年ぶりの再会ぐらいの感覚だ。 もともと、共通の友人を介して、皆で遊ぶようになった友人で、よく会っていた訳ではないが、同郷の繋がりというものの力なのだろう、全く空白を感じなかった。 私が好きな11月初旬の素晴らしい美瑛の景色を見てもらうことができ、とても楽しい時間となった。 いよいよ今週末には寒気が流れ込み、平地でも積雪となる予報である。このまま根雪となることはないが、降っては積もり溶けを繰り返し、真っ白な世界へと移ろっていく。 急いで遅れている冬支度を済ませないと。

2023-11-07T22:13:50+09:002023.11.07|

雪の十勝岳連峰と秋の美瑛の丘

2日間、山に雲がかかっていた。下界でも寒く感じる日が続いた。 きっと山では雪が降っているに違いない。 小さな窓しかない書斎にこもり、事務作業をこなす。デスクワークは、あまり好きではない。外でベンチやテーブルを作ったり、塗装をしたり、草刈りをしたり、身体を動かすことが好きだから、机に向かうと肩が凝る。 1時間ほど事務作業し、休憩がてら飼っている猫でも撫でようかとリビングに。2匹の猫を撫でながら、窓の外を見ていると、さっきまで厚い雲に覆われていた十勝岳連峰が徐々に姿を現し始めた。まるで、大きな宇宙船が空を移動するように、山の前から雲が去っていく。傾き始めた太陽が山を照らし始め、切り立ったオプタテシケ山の凹凸を一段と際立たせる。 さあ、そろそろ外へ出て、シャッターを切るか。 秋から冬にかけては、写真を撮る回数が増える。昼間の時間は短くなるが、太陽が高度の低い所を通るため、斜光になる時間が長く、丘に明と暗を作り起伏が強調されるのである。 もちろん、今は紅葉や霜である。林道に敷き詰めたようになる落ち葉も良い。秋は11月中旬まで続く。 丘の上に立ち、絶景を見ながら冷っとした空気を胸いっぱい吸い込み勢いよく吐くと、悪いものが身体から出ていくような気持ちになる。 秋の美瑛は比較的静かだ。花が咲く夏も悪く和ないが、静かに過ごしたい人には、これから冬にかけての季節がお勧めだ。 一番好きな季節がもうそこまで来ている。

2023-10-22T08:52:54+09:002023.10.22|

お礼の言葉を掛けられて

北海道・美瑛はすっかり秋だ。というより、朝晩は寒いくらいだ。3日前には大雪山旭岳にも正式に初冠雪の発表があった。それでも例年よりは遅い。 山はもちろん、丘の紅葉も徐々に進みつつある。 秋は朝焼けや夕焼けになる日が多い。朝焼けは日の出前、夕焼けは日没後だ。だが、朝焼けは日の出後、夕焼けは日の入り前と思っている人が多い。 チェックアウトのとき、お客さんから「ありがとうございました。とても快適でした。」などとお礼を言われることがよくある。満足して頂けて、とてもありがたい気持ちになる。先日泊まられた若い女性から、「こんな素敵なところを作っていただきありがとうございます。」と言われた。その言葉にびっくりすると同時に、恐縮してしまった。若いのに、こんな感謝の言葉が言えるなんて、凄いなと感心してしまう。 確かにお客さんに喜んでもらえるように、妻と私の2人で、インテリアに時間をかけ考え、自分たちが「これだ」と思ったものを置いたり、ウッドデッキやアプロ―チなどの外構は自分で設計し手作りを心がけているが、これほどまでに喜んで頂けると、頑張って作り、頑張って選んだ甲斐があったと、こちらもとても嬉しい気持ちになる。 宿泊棟には、自分たちの好きな家具や雑貨類を置いている。本当は自宅兼レセプションにもこれらを置きたいのであるが、置けない事情がある。 2匹のやんちゃな猫がいるからだ。飾り棚に雑貨を置こうものなら、前足(猫好きな人は「手」という)で蹴散らし、ファブリックの家具を置こうものなら、爪でバリバリ。1日でボロボロだ。 こんなこともあり、気に入ったものを猫の手の届かない宿泊棟に揃え、清掃し準備完了の際に部屋を見て自分たちで楽しむのである。 毎日のように行っていた草刈の時期も終わりに近づき、11月下旬からは平地にも雪が降り始め、12月に入ると徐々に積雪する。除雪時期の到来だ。年末ごろからは、アイスキャンドルが作れるだろう。 北国の冬の楽しみ方、これを多くの人に知ってもらいたい。

2023-10-07T14:15:00+09:002023.10.07|

雲海テラス

美瑛は天気予報が、外れることが多い。週間予報なんか全くあてにならない。翌日の予報でさえ外れることが頻繁だ。特に、季節の変わり目であるこの時期。 「明日は、晴れますか?」と、よくチェックインの際にお客さん聞かれるが、「予報では晴ですね」と答える。反対に、「残念ながら、明日は雨予報で残念だ。」という人には、「確かに雨予報ですが、美瑛は天気予報が外れることが多いですし、1日の中でも天気が急変することが多いから、面白い景色が楽しめると思いますよ」と答える。雨や曇りは、それはそれで良いものである。 先日、東京から新婚旅行で来られたお二人がいた。 「お勧めのスポットは、美瑛の丘で一番高い五稜の丘ですね」と「早朝に行ってみる」と言われたので、「ヴィラからの景色も捨てがたいから、その時の様子を見て」と伝えた。 その日は、美瑛は綺麗な夕焼けになりそうだった。 夕飯はレストランでのコースを予約されたとのことで、丁度、日の入り後の焼ける時間帯をシュカブラで過ごすことが出来ない。美味しいご飯をとるか、綺麗になるかもしれない夕景をとるか、悩むところである。お二人を車でレストランへ送りがてら、日没後の夕焼けは見られないが、せめて見てほしいと、日没前の夕景を見ながら就実の丘を走った。 綺麗な景色を見た後のディナーは、とても美味しかったことだろう。 20:00頃お迎えに行き、レストランからの帰り、上空に雲はあるが星が少し見えている。少し気温が下がってきて涼しく、肌に湿度を感じる。このままいけば、明日の朝は霧が出そうだ。 「明日は朝霧が出そうです。宿から綺麗に見えますが、霧が濃すぎたら五稜の丘に行ってみてください」 明朝、思った通りの霧どころか、想像を上回る雲海。宿の庭に出て写真を撮っていると、お二人もパジャマ姿で現れた。 スマホで何枚も写真を撮られる姿が愛らしく、思わずシャッターを切った。

2023-09-19T07:38:35+09:002023.09.19|
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