昨日でシュカブラを開業してから、4年経った。
これまでに、延べ約500組の方々にお越しいただいている。
結婚〇〇周年旅行、新婚旅行、家族旅行、ひとり旅、出張など、旅の目的も様々であり、年齢も0歳から80歳代まで様々だ。
多くの方に満足していただいたと感じているが、振り返ると中には「失敗してしまった」と思うことも何件かはある。
その失敗した原因は、僕の発した余計な一言だったと後になって思うのである。
ときどき妻にも、「あんなことは言わない方が良い」と叱られる始末だ。
シュカブラのように1棟貸しの宿の中には、玄関にキーボックスがあり、オーナーや従業員と全く顔を合わさないような宿も増えた。特にコロナ以降。
そういう形もあってよいと思うが、やはり宿というのは、寝ている時間は長いとはいえ、旅の時間の中で大部分を占める、その地域の風土を一番感じられる場所だと思う。
だから、その土地を知るオーナーやスタッフが直接顔を合わせ対応し、一言二言でも良いから言葉を交わすことが重要だと思う。
昔、母親によく言われたことがある「男は少し寡黙な方が格好ええ。あんたは口から生まれてきたみたいに喋りすぎやな」と。
父親は寡黙な人だから、「おかん、あんたに似たんや」と返す。
建物のメンテナンスもできるだけ自分でするようにしており、備えてある家具什器類も一つひとつ時間をかけて探し調達していることが伝わるのか、「この宿には櫻井さん夫婦の魂が詰まっているのを感じられる」と言われたことが何度もある。
それでも、ただ単にお洒落な建物の宿で過ごすだけではではなく、美瑛をなるべく深く知ってもらうため、僕はお客さんに話すことを辞めない。
近所の人たちから四日市の上沼恵美子といわれている母が、「あんた、喋りすぎ」って言ってきそうだ。
落葉松の紅葉が最高潮を迎えようとしている。ほんの1週間程度であるが、1年でこの短い期間しかない素晴らしい時を沢山の人に見てほしい。
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