北海道・美瑛は、そろそろ秋を終えようとしている。
10月中旬に1回目の積雪があり、11月初旬に2回目があった。
紅葉の最後を飾るカラマツの黄色い葉もピークを過ぎた。
美瑛への観光客の7割が訪れる白金青い池にも薄氷が張りはじめているようだ。
11月に入ると美瑛に来る観光客は急に減るが、うちの宿の特徴として、11月初旬は予約の取り合いになる。
それは、僕がカラマツの紅葉の美しさを、Instagramやブログ、また、夏など別の季節に来てくれた方に、晩秋をお勧めするからだ。
予約の取り合いになるくらいになり、少し、この季節をPRしすぎてしまったかなと思うのであるが、この時期に来られる方は、他の季節に来られる方より満足されているような気がし、また、秋に来たいという方が多い。
夏の花畑の時期に来られる方も美瑛・富良野を満足されているようであるが、やはりファーム富田や青い池、四季彩の丘などの有名観光スポットでは、9割が外国人観光客で渋谷のような人混みになっており、宿に到着されたときにはお疲れで中にはぐったりされている方もいる。

来週には気温が下がり、今シーズン3回目の雪が降る予報だ。
今の時期は、降っては溶けを繰り返すが、12月初旬には根雪(降って積もり溶け切らず、日々徐々に増えていくこと)になるだろう。
冬の真っ白な丘も人気だが、観光客のネックは冬道運転だ。
冬に訪れる人の半数はレンタカー、残り半数は公共交通機関やタクシーである。
やはり、レンタカーではない場合には行動が制限されてしまうため、そんな方は僕の車で丘を案内するようにしている。案内に使うのは26歳の時に貯金をはたいて購入したランドクルーザーだ。この11月で29年目を迎え、走行距離はもう少しで40万㎞に達する古くて非常に乗り心地が良くない車だ。このモデルが誕生したのが昭和59年、真に昭和世代だ。最近、若い世代にフィルムカメラが注目されているように、若い方は物珍しそうにこの車に乗ってくれる。
一昨日、毎年の車検から帰ってきたが、整備工場の工場長は「櫻井さんのこの車を整備すると今年も1年が終わったなと感じる」という。やはり、年数が経っているため、常時製造されていない部品もあり、熟練の技も必要でメンテナンスには時間がかかって大変のようだ。
世界中の荒野や紛争地帯で活躍している車だから、耐久性には問題ない。
この冬も、沢山のお客さんを乗せるための準備は完了した。