先日、女性3名の連名で小包が届いた。
「誰なの、この人たち? お客さんで、こんな名前の人たちは覚えがないけど」と妻が少し困った顔で言う。
別に変な焦りはなかったが、差出人の名前を見ても覚えがない。
名前から読み取るに、年の頃は60歳代前後のようで、住所を見ると東京都八王子市となっている。
誤って配達されたものかもしれないし、もしかすると開けた瞬間、「ドカン!」なんてことも怖いため、開けるに開けられない。
住所と年代、そして最近の自分の行動を遡り、記憶を蘇らせる。
『あっ、たぶんあの時の人たちだ』と思い当たる節があった。
『きっとそうだ』と心を決め、包み紙を開けた。
中には、私より少しばかり年齢が上だと思われる女性3人と私が一緒に写っている写真、そして手紙、お菓子が入っていた。

この3名の女性、2か月ほど前に僕が敷地入口付近を草刈りしているときに前の道路を徒歩で通りかかり、「北西の丘展望台」と「ケンとメリーの木」までの道を尋ねてきた人たちだ。
道順を教え、その場は見送ったものの、それなりの距離があることと、夕立と雷が来そうなので心配になり、草刈りを終わらせた後、様子を見に北西の丘まで車を走らせたのだ。
途中、道端を歩く3人を見かけたため話を聞くと、レストランでの夕食の時間の関係でケンとメリーの木を近くで見る時間は無く、そのまま歩いてレストランに向かうとのことであった。
「草刈も終わったし、良かったら少し車で丘を案内しますよ」と誘うと喜んで乗ってくれた。美瑛の丘の歴史などを色々話しながら、ケンとメリーの木やセブンスターの木を観光客があまり見ない角度から見て、写真を撮り、40分ぐらいドライブしてからレストランまで送った。

女性一人やカップルには変な人だと思われるため声を掛けないが、ときどきやってしまう、家の前を通りかかった同年代の人に声を掛けることを。
話が好きということもあるが、折角、美瑛を旅しているのだから、少しでも深くこの地を知ってほしいという思いから出てしまう行動だ。
明日も草刈りをしながら、食虫植物のように前を通りかかる話し相手を待つことにしよう。
妻には、新手のナンパだと言われる。