一週間ほど、所用で不在にしていました。出発前には敷地内を広く覆っていた雪もほとんどなくなり、茶色い土が見えるようになりました。雪解け水で、所々ぐちゃぐちゃとぬかるんでいます。
敷地内の法面の上、一段高くなったところに登ると、青い空、まだまだ白い大雪山、十勝岳連峰、そして芽を出し始めた植物たちがいました。春の訪れです。枯草の隙間からフキノトウが顔をのぞかせていました。
この時期、毎年フキノトウを見ると思いだすことがあります。
故郷の三重県では山に行かないとあまり目にすることがないフキノトウですが、ここ北海道では、いたるところで見ることが出来ます。北海道に移住した21年前、市役所に初登庁する日、幹線道路を車で走っていると、中央分離帯にフキノトウを発見しました。「こんなところにフキノトウが!!」と、思わず車を停めて採取したくなりました。職場に到着し、ワクワクしながら、このことを同僚に話すと、『何を驚いているんだろう?』というような顔をされたことを覚えています。北海道民にとっては、珍しくもなんともないことだったのです。

丘は日陰になった部分に雪が残っていますが、秋蒔き小麦の緑が徐々に顔をのぞかせ濃くなってきています。青い空、白い山、緑と茶色の大地、何とも言えないコントラストです。
一般的に、旅はできるだけ雨を避けたいという思いがあります。しかし、春は、中国からの黄砂の影響で霞むことが多いのです。そんな時、雨は大気中の埃や塵を流してくれ、止んだ後は、全ての物を色濃くし、最高の瞬間を見せてくれます。雨の日の旅、それはそれで良いものだと思います。

これから、ゴールデンウイークに向け、美瑛の丘は一気に慌ただしくなります。いたる所で赤や青、緑の大きなトラクターが眠りから覚めた大地をゆっくりと走ります。

シュカブラの建築工事は昨年の秋に終わったため、外構は、まだまだ土が露出し殺風景なところがあります。4000㎡の敷地をこれから徐々に整備し、これまで以上に緑にあふれ、キツネやウサギ、沢山の鳥たちの集う場所にしていきたいと思います。