この景色を見てほしいと一番思うこの1週間。ごちゃごちゃ言わなくても、これを見れば分かる。
観光客向けに作られた夏の鮮やかか花畑も確かに綺麗だが、秋の最後を彩るカラマツのオレンジは毎年見ているが、いつも身体に電気が走るように鳥肌が立つのである。ここは、美瑛の隣、旭川市にある就実の丘というところからの眺めである。

今の美瑛の丘には所々に大量の大きな石のようなものが積み上げられている。お客さんには、「大きな重機で、石のようなものをダンプカーに積み込んでいたけど何ですか?」と聞かれることがある。甜菜(ビート)だ。本州でも作っているらしいが、それほど大きくないようだ。北海道のものは大きいもので人の頭ぐらいはある。巨大なジャガイモのような見かけだ。これをワニ口のようなクレーンの付いた重機で大量に咥え、大きなトラックに積み込むのである。時々、トラックが落としていった甜菜が道路に転がっているが、これもなかなか面白い。

今日、美瑛の平地にも雪が降った。
農家さんもそうであるが、それ以外の家でも冬支度が始まっている。庭木の冬囲いや除雪機の点検などなど、この時期にやっておかなければ安心して冬を越せない。
動物たちも大忙しだ。エゾリスはクルミを蓄え、鹿や熊も食べられるだけお腹に蓄える。また、シュカブラに沢山現れるのは、オツネントンボという糸トンボである。このトンボは成虫で冬眠し越冬するのであるが、薪の隙間をねぐらにすることが多い。この時期でも比較的暖かな時期に薪棚の近くを飛び回り、隙間を見つけては、こっそりと隠れるのである。
私もトラクターにスノーブロアを付けたり、建物の禿げた塗装の塗り直しなど、空いた時間を見つけ、もうじきやって来るシュカブラの季節に向けた準備をしよう。
美瑛は冬に営業しない飲食店や宿があるが、シュカブラは休まない。真っ白な雪原を見たときの感動の声を聞きたいから。