『夕焼けは、日没後にやって来る』
『朝焼けは日の出前に現れる』
SNSやブログで何回も書いているが、大多数の人がそのことに気づいていない。
素晴らしい夕景が見られるスポットでは、観光客や近郊に住んでいる人が集まり、夕陽から日没までの景色を楽しむのをよく目にする。
そして、太陽が沈むと多くの人が満足したように帰ってしまう。20人ぐらいいた人が、日が沈むと3人ほどになり、残っているのはカメラマンだ。そう、この人たちは知っている、これから現れる絶景を。
多くの人は、夕焼けがいつ起こるのか理解していない。
沈む太陽を見るのは確かに美しい。ただ、せめて後30分粘ってみよう。
太陽が沈み、地平線の下から雲を照らす。これが夕焼けだ。雲がオレンジやピンクに染まる。雲のないときには、空のグラデーションが楽しめる。
多くの人は、これを見逃している。
日が沈み帰ってしまう人を見て、いつも思う。『もったいなぁ!!』
それでも、焼けそうな日には、近くにいる人だけには、声をかける。『もう少しいると、いいものが見れるかもしれないですよ』と。
自然現象だから、期待外れで大して焼けないときもあるが、そういうときがあるからこそ、焼けたときが素晴らしく、また、嬉しく感じるものである。

昨日は秋らしい青空に筋雲が浮かんでいた。夕方、日が傾くと徐々にいい色合いに染まり始める。雲が黄色になりオレンジになり、敷地内の別の場所でお客さんも夕景を楽しんでいる様子。日が沈むと、夕食を買いに出かけようとするお客さん。『えっ!今、行っちゃうの』と目が合う。
「お出かけですか?」と声をかける。
「もう少し待った方がいいですか」とお客さん。
「多分、これからピンクに焼けますよ。夕焼けは日没後にやってきますから」
「そうなんですね、もう少し待ってみます」と部屋に戻る。
40分ほど経ったころ、夕焼けも終わり倉庫の整理をしていると、改めて買い物に出かけるお客さん「凄く綺麗でした。ありがとうございます。」と満足されたご様子。その様子に僕も大満足。

翌朝のチェックアウトの際、「朝焼けも見れました」とお客さん。
「おぉ! 僕は、まだ寝ていました(笑)」