ここ数日の美瑛は、1日の内で目まぐるしく天気が変わることが多い。早朝、正面の十勝岳連峰がくっきり見えていたと思うと、8時ぐらいには雲で全く見えなくなり、10時には激しい雨が降り出し、正午には青空が見えるが、また厚い雲に覆われるといった感じである。
美瑛は北海道の真ん中、上川地方と呼ばれ盆地にあるため、天気が変わりやすいといった特徴があり、平野部に比べ天気予報も当たりづらい。
なるべくドラマティックな景色を見てもらおうと、夕日夕焼け、朝日朝焼け、雲海のような霧、ダイヤモンドダストなどの情報をチェックインの際にお知らせするため、いつも色々な天気予報会社の情報とにらめっこしているが、予報が当たる確率は70%ぐらいだろうか。
一昨日も、1日の始まりは晴れであったが、曇り・雨と変わり、チェックインの16時頃には、程よく雲があり真に夕焼けになりそうな空であったため、そのことをお客様にお伝えした。しかし、18時頃には厚い雲に覆われてしまい、自然なので仕方のないことであるが、期待させてしまったのではないかと、少し残念に思った。それでも曇ってはいたが、十勝岳連峰は青く稜線がくっきりと見え、それなりに綺麗だった。自宅兼レセプションの窓から、ぼーっと眺めていると、突然、山が朱色に染まりだした。次に山の上にある雲がピンクになり、また、縦虹もかかりだした。
慌ててカメラを持ち外に飛び出すと、散歩から戻られたお客様がお二人で山と空を眺めていた。「鳥肌の立つ景色」とご主人、奥様は感動の笑顔、私はカメラを構えていたが、室内にいた妻を呼び、4人でこの絶景を眺めた。
期待してもそうならないときもあるから、期待通りやそれ以上になった時の感動も大きい。それが自然、人間にはどうにもできない。本来、人間は自然の一部だからであろう。
因みに妻の話であるが、一般的に好まれる晴れた日よりもどんよりとした雲に覆われた天気が一番好きらしい。