北海道の真ん中、美瑛も夏らしくなってきましたが、朝晩は上着を1枚はおりたくなるような涼しい風が吹き抜けます。
先日、美瑛在住の星空案内人(星のソムリエ)をされている方に、美瑛の中でも一段と星の良く見える真っ暗な丘に連れて行っていただきました。
その場所は、日中は一面の小麦畑とその奥に十勝岳連峰や大雪山が見渡せる丘で、何時間でも「ぼーっ」と景色を眺めていられるような穏やかな時間が流れるところです。
真っ暗な夜に来るのは初めてで、懐中電灯がないと足元が分からないようなところでした。
シュカブラからも、綺麗に星が見えるのですが、この場所は、その何倍もの星が見えます。

丘に着くと様々な明るさや色の星が沢山見え、小学生の頃に習った星座を思い出し、星をたどってみました。今の時期だと、まず目に付くのが、こと座のベガ(織り姫星)、わし座のアルタイル(ひこ星)、白鳥座のデネブ、この3つで『夏の大三角形』です。次に視線を降ろすと一段と赤い星、さそり座のアンタレス。この星は同じ恒星である太陽の680倍もあるそうです。太陽が地球の109倍ですから、あまり想像がつかない大きさで、宇宙の凄さに少し怖さを感じます。
星の写真を撮りたいとカメラを三脚にセットし、夜空を眺めていると、目がだんだん慣れてきます。よく見える明るめの星の隙間を埋めるように、小さなチリのようなものが見えてきました。『少し埃が舞っているのかな』と思い、ソムリエさんに「小さな埃のようなものが舞っていますね。」と話しかけると、「星ですよ。天の川も濃くなってきています。」
「星?」、夏の大三角形を貫くように星の川が流れています。確かに川の両岸に「織り姫星」と「ひこ星」があります。
さっきまで、星座が良く見えていたのですが、あまり星が見えすぎて、星座の中核をなす星がどれだか分からないくらいです。まさに、満天の星、星の降る夜でした。

星空案内人とは星空案内人資格認定制度運営機構という全国組織の団体が認定する制度で、北海道では美瑛町と芦別市で認定講座が実施されています。年に1サイクルの講座があり、認定された人は、星のソムリエとして、地元の方のみならず、旅行者も案内できます。
お客様に都会ではなかなか見ることの出来ない素晴らしい星空を見ていただくため、私も講座を受講し資格を取りたいと思います。