美瑛の丘は、秋まき小麦がすくすくと成長し、緑の絨毯が敷かれたところと、畑お越しが終わったばかりの茶色いところとパッチワークのようで素晴らしいコントラストの時期を迎えました。それに加え、十勝岳連峰や大雪山には残雪があり、雨の日の翌日は、空気中の塵や埃が流され澄んで、美しい風景が楽しめます。

朝、起きて窓の外を見ると、空は厚い雲に覆われていました。太陽が昇るにつれ、陽が雲の切れ間から丘を照らしだしました。シュカブラから正面の奥の方に見える丘は差し込んだ陽の光で緑に輝いています。
慌ててパジャマから着替え、朝食も摂らずに軽トラの荷台に三脚を、助手席にカメラを積み込み出発です。
5分少々でシュカブラから見えた丘に着きました。まさに北海道の春です。丘には、青や緑、赤のトラクターが行きかい、農家さんは忙しそう。
軽トラのエンジンを切ると、風に揺れた白樺の葉がこすれ合うサラサラという音が聞こえます。また、あちこちから色々な小鳥のさえずりが聞こえ素晴らしい景色を眺めるには最高のBGMです。
声のする方をよく観察すると、上空をパタパタと羽ばたくヒバリ、そよ風に揺れる草に上手にとまっているノビタキなどを目にし、どこからか獲物を狙っている猛禽類のノスリの声も聞こえてきます。
地上に目をやると、獲物のヤチネズミでも探しているのかキタキツネがウロウロと、日差しで温まったアスファルト道路にはアオダイショウがじっとしています。
まさに北の大地の春の訪れ、生き物たちを一斉に目覚めさせます。
何枚か写真を撮ったら、朝食を取っていないため、お腹が鳴りました。さあ、帰ってご飯だ。
美瑛には、所々農家さんの自宅前に無人の野菜販売所があります。この時期は、アスパラですね。明るくなる朝4時頃から収穫作業を始めます。通常の流通ルートに乗せられない規格外の物などが、無人販売所に格安で並べられています。とはいっても、味は最高、切り口からは水分が滴っています。財布から100円取り出し、設置された缶に入れ、アスパラの束を頂きました。帰って早速茹でマヨネーズを付けていただきました。なぜ、こんなに甘いんでしょう。