美瑛は昨日からひどい風です。昨日は、降雪はありませんでしたが、強い風で地吹雪でしたが、今日は降雪と地吹雪、天と地の両方から雪がたたきつけます。いわゆるホワイトアウトです。十勝岳温泉や旭岳温泉の標高が高いところでは、想像ができないくらいの状態でしょう。
室内から窓越しに外を見ていると、外の風の音があまり聞こえないのと、白と黒の世界なので、昔の無声映画のワンシーンを見ているようです。

昔と言えば、宿のショーケースには、過去に使用していたドイツ製のフィルムカメラ、ローライフレックスを飾っています。このカメラは、縦に四角い箱の前面に2つのレンズが付いており、二眼レフというものです。上のレンズで構図やピントを決め、シャッターを切ると下のレンズから入った光が、フィルムに写り込みます。シャッター音は「カシャッ」ではなく「チッ」と鳴ります。
今でも、昔のカメラを持ち出し、何かを撮りたくなりますが、なんせフィルムがなかなか売っていないですし、購入して撮ったとしても現像に時間かかるのと、昔に比べ費用も掛かります。また、フィルムは生ものなので冷蔵庫に保管しなければ劣化してしまいます。
出番がなく自宅のカメラケースの隅に眠っていたのですが、宿を開業し日の目を見ることになりました。
お客様がご到着され、このカメラを目にされると私と同じ年代やそれを上回る方は「懐かしいですね」「撮れるんですか」と聞かれますが、20~30代の方は、「これ何ですか?」とまるで骨董品を見るようです。50年以上前に製造されたものなので骨董品の部類かもしれませんね。でも昔の機械は凄いです。今でもちゃんと綺麗な写真が撮れますよ。シャッターの機械式といって、電池は一切要りません。
もし、今のデジタルカメラを50年後に出して来たら、そうはいかないでしょう。合う電池がない、中の半導体がおかしいなど、使えたとしても修理に莫大な費用が掛かるでしょうね。

世界はどんどん便利になっていきます。でも、何か起きた時、被害は連鎖的に広がり甚大なものになるでしょう。
本来、人間が個々に持つ動物的な生命本能を忘れないようにしたいものです。