北海道美瑛も夏らしくなってきた。とはいっても、日の出前は5℃を下回ることがあるが、盆地特有の気候である。
日の出の時刻は4時前だ。北国の夏の昼間はとても長い。今朝は薄目の青い空と十勝岳連峰がくっきりと見える。
7:30頃、朝食を終え、つなぎの作業服に着替え帽子をかぶり、今日は何をしようかと庭をウロウロしていると、朝の散歩から戻ったお客様と会う。気持ちの良い風が吹く清々しい天気の中、近くの北西の丘展望公園まで行かれたとのこと。「何、してるんですか?」と問われ、「草刈でもしようかと思って。毎週、やるんです。敷地内を全部やると5時間ぐらいかかります。」と答える。
基本的にお客様がいても普段通りの生活をする。ここでの生活を見て感じてもらうのも、シュカブラという宿、私のスタイルだ。レセプション兼自宅と宿泊棟は30m程離れているが、困った時に直ぐに対応できる距離。いわば、滞在中のお隣さんである。
1時間ほど草刈りをし、庭に常設のテーブルを作ろうと、倉庫に眠っている廃材を選ぶ。材料を丸鋸でカットしていると、雲が激しく流れ青空がなくなる。塗装を始めると材料に大きめの雨粒が落ちて来た。20分の間に何回も降ったりやんだりを繰り返す。空を見上げると『あの雲が降らしている。次はあの雲が降らす』というのが分かる。
作業を辞め、自宅に入るが、ふと時間を見ると長男が学校の部活から帰ってくる時間だ。美瑛駅まで車を走らせると、道路は濡れているところをそうでないところがある。ほんの2kmほどの間で降ったところと降っていないところがあるのだ。
この不安定な天気、夕方には雲の切れ間から光が差し込み、素晴らしい景色と出会えるのではないかと思う。
午後は、ソファーに座りリビングの大窓から降ったりやんだりしている丘を眺める。ただ、景色を眺めぼーっとする時間。
17時頃、ほんの少しだけ青空が見えだした。『来るぞ、絶景の時間。とりあえず、セブンスターの木のあたりまで車を走らせよう』と出発。途中には薄っすらとした虹も。
セブンスターの木の駐車場には数台のレンタカー。ラッキーな観光客。
実ってきた麦の穂と、セブンスターの木の隣の白樺並木が素晴らしい。