今年の北海道は雪が積もるのが遅いです。美瑛も同じくで、いつもならシュカブラの周りは雪に覆われていますが、11月に沢山積もった雪は全て溶けてなくなりました。いつもトラクターで除雪をしているのですが、今年は一度も出動していません。
ただ、山は真っ白です。ここ2・3日は快晴のため、雪の積もった美しい十勝岳連峰や大雪山を見ることができました。
早朝6時は、まだ辺りは真っ暗です。ようやく十勝岳連峰の山の端の空がオレンジ色に染まり始めると、朝のマジックアワーの始まりです。空は何とも言えないグラデーション。そこから徐々に明るさを増し、山の端から朝陽が少しだけ顔を出すのは7時10分頃、辺りは一気に様々な色をみせてくれます。地表の霜が真っ白に輝き、薄い霧が丘を漂います。

日中は青い空と連なる白い山のコントラスト、そして霜が溶け濡れた秋蒔き小麦の緑もキラキラと輝きます。
真っ白な山を近くで見るために十勝岳温泉の展望台に出かけます。美瑛の街を抜け、丘を越え、上富良野の街から十勝岳めがけて車を走らせます。途中、林の隙間から太陽に照らされた山が顔をのぞかせます。
最後のヘアピンカーブを上ると十勝岳温泉凌雲閣さんに到着。
ここから見る山々は、新緑、盛夏、紅葉、そして雪の時期、どの季節でも絶景です。凌雲閣さんは日帰り入浴もでき、露天風呂から見る山は格別です。
切り立った山の肌に吹き付けたような雪、自然の厳しさを伝えてくれます。

夕方は丘に戻って、夕陽に染まる大雪山を見ることにしましょう。14:00を過ぎると夕暮れ時を感じさせる陽の光です。15:30過ぎには丘の向こうに太陽が沈みます。山だけが照らされ、ピンクに染まります。山を縁取るように空は薄紫に、夕方のマジックアワー、トワイライトです。薄暗くなった丘にピンクの島が浮いているような光景。寒さを忘れて夢中でシャッターを切ります。

今年の春、ご近所に九州からあこがれの美瑛へ移住されてきた方がいらっしゃいます。毎日、丘めぐりを楽しみ写真を撮られています。初めての本格的な冬をワクワクドキドキしながら迎えているそうです。