ここ最近、北海道美瑛は夕焼けが綺麗な日が多いです。日中、晴天の日でも、曇りの日でも、雨が降った日でも、夕方になると西の空が色々な染まり方をします。晴れの日は、頭上から地平線に向かってグラデーションになり、雲がある日はその雲が赤く染まったり、雨が降った後は濡れた葉に付いた水滴に空の色が入りオレンジに、など様々な景色が楽しめます。

以前も書いたかもしれませんが、どうしても伝えたいので書きます。
夕焼けは、夕陽が沈んだ後にやってきます。多くの人は、夕焼けは陽が沈むまでだと思っているようで、多くの観光客や写真を趣味にした人たちは、夕陽が沈むとその場から立ち去ってしまいます。もったいない。
夕焼けは、沈んだ太陽が地平線の下から空や雲を照らし起こるのです。
確かに夕陽も綺麗です。夕陽だけ見たい人は、日が沈んだら帰るのでいいと思います。
でも、ほとんどの人が夕焼けも見たいはずです。太陽が沈んでから最低30分は待ちましょう。この30分の間に、空に吸い込まれそうなドラマが起こるのです。
薄っすらとオレンジに染まり始めた西の空が、朱色になり、やがてピンクに、そして紫にと変わります。
もちろん期待外れの時もあります。それはそれで、また今度ということにしましょう。自然が相手です。人間の思い通りにならないからこそ面白く、見られた時の感動も深い。

この写真は、日没約30分後の西の空と頭上の月を多重露出にして撮ったものです。月を望遠レンズで撮り、同じコマに広角レンズで西の空を撮りました。月も西の空も綺麗なので、欲張りました。左の方に金星も写っています。

残念ながら、この日も夕陽が沈むまでは、近くに10名くらいの方が写真を撮ったり眺めたりしていましたが、この夕焼けを見たのは私ともう2人でした。もったいない。

夕暮れ時は、様々な鳥が鳴き、キタキツネが縄張りを確認するように三脚の周りをウロウロ、自然に包まれた中で、のんびりゆっくりシャッターを切りたいものです。