GWの美瑛は、日本人、アジア系外国人の観光客が沢山訪れていた。
町内の飲食店には長蛇の列ができているところもあった。
東京などでは、気温が30℃近くまで上昇したところもあるようであるが、美瑛は寒気が入り込み不安定な天気だった。
車で信号待ちをしていると屋根にゴンゴンと何かがぶつかる音がする。雹(ひょう)である。すぐに治まり、日の光が差したかと思うと、次は激しい雨。美瑛は天気が変わりやすい土地でもあり、自分の感覚ではあるが天気予報は70%、いや、春や秋は50%ぐらいしか当たらないような気がする。その証拠に、天気予報の会社によって予報が全く違うことが多い。

大型連休が終わり、レンタカーの数も減り、少し静かな美瑛に戻った。
ただ、農家さんは大忙しだ。畑起こしや防除など、全国の人々に北海道の美味しい農産物を食べてもらいたいとの思いで、一生懸命の作業が続く。とてつもなく広大な農地を巨大なトラクターが走っているのであるが、遠くから眺めていると、ジオラマのようにも見える。
5月中旬から6月中旬は比較的観光客も少なめで、美瑛の風景を楽しみながら、静かにゆっくり過ごしたい人には、お勧めの時期である。
ただ、まだ風が冷たい日が多く、不安定な天気は続くが、そのような天候だからこそ見られる景色もある。
折角、旅行に来たのに、今日は雨や曇りだから残念と思うことはない。その時にしか見られない風景もある。マイナスの気持ちでいると見落とすものも沢山。

一昨日も、雲が多く、時折激しい雨が降る1日だった。恐らくがっかりしながら観光していた人も多かったのではないだろうか。
ただ、油断は出来ない。こういう日は、とてもチャンスなのである。
夕立が止んだ。
多分、来るな。
西の空を見ていると雲が切れだした。
うん、来る。
薄い雲の向こうにぼーっとした太陽が見える。
絶対、来る。
雲の切れ間から低い太陽が顔を出した瞬間、シュカブラの前に絶景が現れた。