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6月 2024
おばあちゃん、おかえり
『おばあちゃん、おかえり』 僕は、心の中でそう呟いた。 先日、2022年12月17日のブログに登場する関西弁で話すご高齢のお母様と娘さんのお二人がシュカブラを再訪してくれた。 本当なら前回の来訪から1年後の昨年12月に来られる予定で予約もいただいていたのであるが、お母様が体調を崩されたとのことで、来ることができなかった。 娘さんのお仕事の都合上、12月にお休みが取りやすいとのことであったため、今度お会いできるのは、前回から2年後の今年の12月になるのかな。お母様は大丈夫なのだろうかと心配していた。 今回の宿泊のご予約時のメッセージには、お母様の体調が回復されてこと、美瑛に行きたくて冬まで待てないことが書かれていた。 メッセージを見て安心し、6月になるのを楽しみに待っていた。 お母様は前回より少し足が悪くなられたようであったが、お元気そうである。 入室するとヴィラの土間に置かれた椅子に腰かけ、窓から外を眺め、「わー! 緑が凄いなぁ。あれなんやろ?」と目の前に一面に広がった広大な畑を見て問われる。「蕎麦ですよ。最近、芽を出し始め黄緑色が綺麗ですね」と答えると、「初めて見たわ」と変わらぬ関西弁でお話された。 大阪で生まれ、三重で育った僕にとっては、おばあちゃんの発する関西弁の一言ひと言が前回と変わらずとても心地よい。 6月も終盤になり、予想通り美瑛・富良野の観光客が増え、「ファーム富田」や「青い池」などの有名観光スポットは混雑し、時間帯によっては駐車場に入るための渋滞も起こっているとのこと。 [...]
旅の感動をお手伝い
秋まき小麦には穂が付き、すくすくと成長している。ジャガイモやトウモロコシ、ビート、蕎麦なども徐々に成長し、今の美瑛の丘は、1年のうちで一番緑の多い時期かもしれない。 先日、改めて気付かされたことがある。 観光に来られた方が、所謂有名(撮影)スポットを巡っても、地元民が同じ場所に向かうのとは見え方が違うということ。 チェックインの際、お勧めスポットをお知らせし、翌朝、車で巡られたようであるが、その感想を聞いてみると想像していたものより感動が少ないように感じた。少し道にも迷われたようであった。 美瑛は広大な農地の間を道路が走っており、目印になる物があまりないため、道にも迷いやすく、特に内緒のスポットなどは看板もなく目的地にたどり着いたのかどうかも分からないこともある。 再度、人が少ない穴場スポットに挑戦してみたいとのことであったが、もしよろしければと、夕方、こちらの車で、丘を案内することになった。 改めて、朝は何処に立ち寄られたかを確認したが、穴場スポットの他、取りこぼしなく良さそうなポイントを巡られている。 ただ、スポットに向かうまでの経由した道が違うようだ。 お客さんと一緒に、宿をスタート、「ここを通りましたか?」「ここで曲がりましたか?」と聞くと、コースが違うことが分かった。 ナビを使うと一般的に最短コース(稀に変な道)を案内し、スポットに行くにはその道が一番早いが、自分が目的地に向かう際には、最短コースに拘らず、途中、綺麗な景色が見えるところを周るようにしている。ここのところは、なかなか地元民じゃないと分からないところである。 [...]
5月 2024
夕焼けの季節到来
5月・6月は企業や団体の総会が多く開催される時期である。 僕も宿泊事業者の一人として、観光協会など美瑛町内のいくつかの団体に所属している。 総会に参加すると運営側(事務局)から昨年度事業の報告と本年度の事業計画が説明されるが、殆どの参加者は質問や意見を発言しない。皆が、全く同じ考えを持っていることはない。説明を聞いて、何にも思わない人はいないだろう。 もちろん、時間的に参加者全員が発言できるわけではないが、参加するからには、賛同でも批判、別の提案でも良い、何か一言発言してほしいと思うのである。 まあ、僕は余計な一言を言ってしまうことも時々あるが。 さて、硬い話はこれぐらいにして、夕方、西の空が焼けることが多くなる季節がやってきた。 多くの人は、夕陽と夕焼けを混同している。これまでに、何回も書いているが、「夕焼けは日没後にやって来る」。 夕日も良いが、是非、夕焼けを見てほしい。 快晴の日には西の空がグラデーションになることがあるが、焼けやすいのは薄曇りや多めに雲が浮いている日だ。 夕焼けスポットでは、カップルなどが夕陽を眺めている姿をよく目にする。日の入りの少し前から、赤みを帯びた太陽が地平線に徐々に近づき、ゆっくり沈んでいくのをジッと見つめている。そして、太陽が沈み切った瞬間、多くの人が『あー綺麗だった』『沈んじゃった』というような顔をして、これから起こるかもしれない夕焼けを見ないで車に乗り込み帰ってしまうのである。 [...]
種まき開始
シュカブラは、広大な農地に囲まれている。毎年、その畑では作物として蕎麦が作られている。 今年も本格的に畑起こしと播種が始まった。 部屋からは、目の前を人の身長をはるかに超える巨大なタイヤのトラクターが行きかうのを見ることができる。 トラクターを運転操作している農家さんは真剣な表情で前方と後方を何度も確認しながら、うねうねの丘を綺麗に起こしていく。 十勝のような平坦な土地ではなく丘が連なる美瑛は、トラクターの操作がとても難しい。横に傾きながら真っすぐに畑を起こすのは、豊富な経験と技術が必要だ。 シュカブラの庭にも800坪ぐらいの範囲にアンジェリアなどの花の種を撒く。庭を放置しておくと、たちまち雑草だらけになるからだ。 土起こし、種まきのタイミングは、気温や雨の予報を見ながら思案するのだが、天気予報を見て自分なりに判断するよりも、周りの農家さんの作業の様子を見ながら、それに足並みを合わせて作業を進める方が確実だ。 美瑛は天気予報が当たりづらいからか、農家さんの経験則の方が上回る。 自分で判断して種まきした年は、撒く時期が早すぎて、寒さで成長しなかったりしたが、農家さんの真似をして時期を定めると、綺麗な花をつけてくれる。 庭の畑起こしはトラクターで行うが、種まきは手作業。近所の農家さんが昔使っていたという種まきの道具を借り、ゆっくりゆっくり種を撒く。 [...]
春の美瑛
5月になった。GWの真っただ中、美瑛の桜は今が満開だ。 とはいっても、最低気温は0℃近くになることもある。 広大な農地の秋まき小麦は、雪解けとともにぐんぐん成長し、濃い緑の絨毯のようだ。徐々に樹々は芽吹き始め、新緑を覗かせている。 この時期に困ったことがある。白樺の花粉によるアレルギーだ。 薪割や草刈などの作業をしていると、目は痒いし、鼻が詰まる。 本州にいた頃は、スギやヒノキの花粉には全く反応しなかったが、北海道に移住して5年ぐらいたったころから、この時期になるとこのような症状が出る。 白樺というと、本州の人には人気の木で、僕も白い幹を見るのは好きだ。 ただ実は、道産子にはあまりにも普通に生えている木で、特に好きだという人はあまりいない。それどころか農家さんの多くは、畑の脇などに生え、成長も早く、トラクターでの作業の邪魔になるため迷惑な木だという。 でも、この時期の白樺は、小さな芽を出し、それが日に日に開き始め、黄緑色の綺麗な葉を沢山付ける。この薄い黄緑色と真っ白な幹は、ずーっと見ていても飽きない。 故・前田真三氏の写真ギャラリー「拓真館」の敷地にある白樺の回廊を歩くのは良い。美しい写真を見て、鼻がムズムズしながらでも回廊を歩き、同じ敷地内にあるSSAWというカフェで一息つく。 [...]
4月 2024
旅から生まれるもの
3月25日に出発した旅を終え、4月8日に美瑛に帰ってきた。 苫小牧港から仙台に寄港し、名古屋港から上陸。鳥取県の智頭町や米子市、京都府の伊根町、大阪市、亀岡市、京都市、大津市、津市、四日市市から琵琶湖の横をすり抜け、日本海側に出て、新潟市まで北上、東北地方を横切り仙台港から苫小牧港へ、車での走行距離は2,700㎞。 途中、一時的に家族(妻・長男・次男)と合流したが、ほぼ一人旅だった。 旅の目的の一つは、米子に住む102歳になる父方の祖母に会うこと。祖母は足腰が弱って歩行器での移動だが、相変わらず頭の回転は速かった。 もう一つの目的は、オーバーツーリズムの現状視察であるが、一つが伊根町。 こちらは、京都府の北部、日本海側にある町である。近くには、昔から観応地として有名な天橋立がある。 伊根は漁師町で湾に面する海岸の際に270件の舟屋が立ち並び、日本の原風景が残る場所である。 数年前までは天橋立などに比べ、それほど観光客も訪れない場所であったが、この風景が有名になり、近年、特に外国人観光客が急増したようである。伊根町の人口は2,000人程度であるが、そこに年間何十万人という人が訪れている。それとともに、私有地への立ち入りや、駐車場の問題などが発生して、伊根町観光協会のHPを覗くと「伊根は観光地ではありません」と謳っている始末である。観光協会の人に話を聞いたが、皆さんには伊根に来て楽しんでいただきたいが、一部のマナーの悪い人たちのせいで、住民が安心して暮らせないことと、善良な観光客にも悪影響があるなどのことから、このように言わざるを得ないとこのことで、大変苦慮されている様子が伺えた。 丁度、桜の開花時期で日中は車や人が多く、また、私有地への立ち入りなどマナー違反も見受けられた。 田舎でこのような状況というところが、美瑛の状況と類似している。ただ、美瑛の方が、より深刻な状況であるように感じた。 [...]





