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1月 2023

あけましておめでとう

2023.01.01|

あけましておめでとうございます。 シュカブラかの窓から見える花火を見て、新年を迎えました。 昨年は10月から外国人の入国制限が撤廃され、大型バスに乗った韓国からの観光客が一気に増え、美瑛の街も活気づいてきました。 ただ、それに伴いマナーの悪い方も増えており、農地や民家への立入やゴミのポイ捨て、通行の妨げとなるような写真撮影をよく見かけます。 観光客が来て経済が潤うのは、大変ありがたいことですが、このようなマナーの悪い人が来ることで、美瑛の美しい景色や環境は失われ、美瑛を楽しみに来る人も減り、結果的に地域の衰退に繋がります。 全国各地、いや世界中、どこでもそうだが、その土地にはその土地なりの風土があり、それがあるからこそ地域の特色があり、他の地域から来た人が新鮮な感覚を覚え、感動することが出来る。それは、その土地の人たちの日々の生活から生まれてくるもので、守られている環境である。旅する人は、それを感じ理解してほしいと思うのである。 人間は、本能として変化や刺激を求める生物らしい。旅することもその一つであるという。 昨年は約170組のお客様がいらしたが、多くの方が、到着された時と出発される時で、表情が違うのを感じた。何となくではあるが、この地に対する私の思いを理解してくださっているような感じがするし、そのことを口にされる方もいる。 1日1組限定の宿であるため、1年でそれほど多くの方とお会いできるわけではないが、できるだけ多くの方に、旅やその土地のことを理解してもらいたいと思うのである。 今は亡き私の友人が20年前に言っていた言葉がある。 [...]

12月 2022

祖母を思い出した時間

2022.12.17|

今日の美瑛は、青空が見えている。久しぶりの太陽だ。数日は4日間雪が降り続き、吹雪の時もあった。先日、女性とそのお母様の母娘旅を楽しまれているお客さんが3泊されたのであるが、まともにその悪天候に被ってしまったのである。到着前から天気予報を見て、『ドンピシャで3泊とも吹雪く日に当たってしまったなぁ』と少し残念な気分でいた。到着された時も結構な雪が降っていたが、窓から見える景色を見て「お母さん、雪、綺麗やなぁ。」「真っ白やなぁ。」と楽しまれている。 晴れていれば、綺麗に見える十勝岳連峰も全く見えない。 宿泊棟でのチェックイン時の説明も終わり、自宅兼レセプションに戻り、天気予報と窓の外をにらめっこしていたが、一向に良くなる予報はなく、むしろ悪化していた。交通機関は高速道路の通行止めや鉄道の運休のニュースも流れ出した。 いつも、お客さんが楽しまれている部屋の大きな窓から、素敵な景色を楽しまれているかが気になるが、『3泊もしていただける方にその3泊ともが悪天候になるなんて』と何度も思いながら、『まあ、自然相手だから自分には何とも出来ないな』と少し諦めていた。 2日目、タオル交換に宿泊棟に伺うと、お母様が対応してくれた。『雪、綺麗やなぁ。子供の時分にベチャベチャの雪は見たことがあるけど、ここの雪はサラサラで綺麗やなぁ。凄いなぁ』と。少し安心した。お母様はご高齢で、関西弁で話すその姿を見ていると、10年以上前に亡くなった生粋の大阪人の祖母を思い出した。 3日目のタオル交換。雪はまだ、降り続いている。チェックイン時と比べると、プラス50㎝は積もったのではないだろうか。今日もお母様が対応してくれた。おばあちゃんが話す優しい関西弁が、心地よく感じ癒される。ほんの数分だが、僕にとって楽しい時間。 チェックアウトの際、お母様『楽しませてもろたわ。』、娘さん『楽しかった。また、来年この時期に来ます。』 荒れた天気でどうなることかと心配したが、ほっとすると同時に、長く北海道に住んでいると、忘れかけている冬に対する新鮮な気持ちや感覚を思い起こさせてくれた。 出発されてから1時間後、雪がやみ、少し山が見えだした。今度は青空の下の雪原を見てほしい。

白い世界がやってきた

2022.12.02|

やっと来た白い世界。 今年の美瑛は、雪の降り始めも遅く、積もるのも遅い。一昨日から降り始めた雪は一気に大地を白くした。しばらくは雪の日が続く予報であるため、このまま根雪になるような気がする。いつもは、11月に降っては溶けを繰り返すのであるが、今年はその回数が少なかったように感じる。 北海道というと、皆、雪が多いとイメージするようであるが、そうでもない。本州でも日本海側は大量の雪が降るが、同じ緯度でも太平洋側はあまり降らないのと同じである。 ニセコなどの日本海側は積雪3mぐらいになる年もあるが、内陸の美瑛は沢山積もった年でも1mぐらいである。また、釧路などはあまり降らず、氷の世界である。 夏に来たお客さんには、「冬は雪がすごいんでしょ?」とよく聞かれるが、そのことを説明すると納得される。恐らくメディアも北海道の広さをあまり理解せず、北海道を一括りで報道するため、聞く側に誤解されてしまうのであろう。 今朝は、昨日までの雪が小康状態になり、雲の切れ間から光が差し込んでいる。金色に輝く雪原は、毎年見ているが新鮮だ。いつも見ている人間がこのように感じられるのだから、初めて見る人は感動し涙を流すらしい。そんなことを言っていたお客さんがいた。 今朝は氷点下10℃であったが、これからどんどん寒くなる。1月には氷点下20℃ぐらいになる日がしばしばある。そんな日が待ち遠しい。

11月 2022

美瑛に冬が来た

2022.11.18|

雪がちらつく日が増えてきた。写真はトラクターのボンネットに落ちた雪だ。 11月中旬から12月中旬までは、お客さんが少ない季節、この間を狙って冬支度をするのである。残った丸太の玉切り、枯れた枝の剪定、車やトラクターを洗車しワックスをかける。トラクターはエンジンオイルの交換やアタッチメントの付け替えも終わった。2年前に自作した4坪程度の倉庫の中を夏に使うものは奥に、冬に使うものを手前にセットするのである。ストーブに使う薪の移動も終了。残っている作業としては、ヴィラのメンテナンスである。少し塗装が剥げた部分を塗り直したり、便利だろうと思われるところに棚を造作したり。冬支度の前にはやることをリストアップするのであるが、全て終わっても、やりたいことが出てきて、やることは尽きない。 最近、冬の予約が入りだしている。予約していただいた方には、夏と同様に案内メールを送るのであるが、付け加えていることがある。北海道外から来る方は、よく新千歳空港を利用されるのであるが、可能な限り旭川空港を利用するよう勧めるのである。新千歳から美瑛までは3時間程度かかる。冬には、時々吹雪で高速道路や鉄道がストップするのである。これまでに、予定通り宿に辿り着けなかった方はいないが、おそらく帰れなかっただろうという方はいた。その点、旭川空港ならシュカブラまで車で15分程度である。 何度も言ってはいるが、北海道は広い。美瑛が快晴だからといって、札幌が晴れているとは限らない。むしろ冬は日本海側の札幌や岩見沢は荒れていることが多々ある。 関東からなら羽田⇔旭川、その他の地域からでも、羽田経由(乗り継ぎ)が安全だと思う。 でも、夏より冬の美瑛を見に来てほしい。 なぜ、宿の名をSkavla(風雪紋)にしたか。それは自分が冬の北海道が好きで、この景色を見てほしいから。そして、『冬の北海道は人が住むところじゃない』という人の変な誤解を解きたいから。 美瑛でも夏だけしか営業しない宿もあるが、むしろシュカブラは、将来、冬しか営業しない宿にしようかとも思っている。

就実の丘(晩秋の北海道)

2022.11.04|

この景色を見てほしいと一番思うこの1週間。ごちゃごちゃ言わなくても、これを見れば分かる。 観光客向けに作られた夏の鮮やかか花畑も確かに綺麗だが、秋の最後を彩るカラマツのオレンジは毎年見ているが、いつも身体に電気が走るように鳥肌が立つのである。ここは、美瑛の隣、旭川市にある就実の丘というところからの眺めである。 今の美瑛の丘には所々に大量の大きな石のようなものが積み上げられている。お客さんには、「大きな重機で、石のようなものをダンプカーに積み込んでいたけど何ですか?」と聞かれることがある。甜菜(ビート)だ。本州でも作っているらしいが、それほど大きくないようだ。北海道のものは大きいもので人の頭ぐらいはある。巨大なジャガイモのような見かけだ。これをワニ口のようなクレーンの付いた重機で大量に咥え、大きなトラックに積み込むのである。時々、トラックが落としていった甜菜が道路に転がっているが、これもなかなか面白い。 今日、美瑛の平地にも雪が降った。 農家さんもそうであるが、それ以外の家でも冬支度が始まっている。庭木の冬囲いや除雪機の点検などなど、この時期にやっておかなければ安心して冬を越せない。 動物たちも大忙しだ。エゾリスはクルミを蓄え、鹿や熊も食べられるだけお腹に蓄える。また、シュカブラに沢山現れるのは、オツネントンボという糸トンボである。このトンボは成虫で冬眠し越冬するのであるが、薪の隙間をねぐらにすることが多い。この時期でも比較的暖かな時期に薪棚の近くを飛び回り、隙間を見つけては、こっそりと隠れるのである。 私もトラクターにスノーブロアを付けたり、建物の禿げた塗装の塗り直しなど、空いた時間を見つけ、もうじきやって来るシュカブラの季節に向けた準備をしよう。 美瑛は冬に営業しない飲食店や宿があるが、シュカブラは休まない。真っ白な雪原を見たときの感動の声を聞きたいから。

10月 2022

秋の美瑛(光芒・光のカーテン)

2022.10.20|

丘にも紅葉が降りてきた。美瑛は紅葉の最盛期に入りつつある。シラカバ、ミズナラ、ナナカマド、ニレ、クルミ、カエデなど、樹種もさまざまであるが、水辺や日向・日陰の違いによっても色付く時期が様々だ。 この時期は、早朝に濃い霧が出ることが多い。上空が晴れて放射冷却で地表が冷えるためである。朝、窓の外は10m先が見えないこともある。こういったときは、かえって絶景を見るチャンスだ。このことを知らない人は、「あぁ・・・」と思い二度寝してしまう。霧が徐々に晴れてくる何とも言えない幻想的で素晴らしい瞬間を見逃してしまうのである。 濃い霧が南から北へ目の前の丘を流れ、だんだん薄くなり切れ間から鮮やかな樹々がチラチラと見え隠れする。正面から太陽が丘を照らす。逆光の明と暗の世界。大きな窓から注ぎ込む朝日は、次第に室内を温め暖房が不要になるどころか少し暑いぐらいだ。ウッドデッキ側の小窓とベッド上の窓を開けると、冷たい風が部屋を通り抜ける。外の空気を感じながらの朝のコーヒー。ただ、窓の外を見ながらぼーっと過ごす時間。旅行に出ると、あれもこれも見たい、あれもこれも食べたいと欲張ってしまうことが多いが、何もしない時間を楽しむのも良いものではないかと思う。 この日は、十勝岳連峰を覆う分厚い雲でスタートした。ここで、がっかりするのは早い。この後、やって来る素晴らしい景色を待つ。朝食の準備をしながら、キッチンから窓の外を除く。『来たっ!』光のカーテンだ。雲の切れ間から漏れた太陽の光が丘に降り注ぐ。庭から見るのも良いが、木枠の窓を通して見るのも、動く絵画を見ているようで良いものである。 11月初旬まで、美瑛の丘が最も美しく鮮やかになる季節、私が一番ドキドキする季節。

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